オークションに行ってみる 【体験談】 アーリーリタイアしたらやってみたいこと

アーリーリタイアしたら、いままでできなかったことを積極的に体験しようと、毎週、いろいろなところに出掛けています。

今週は、「オークション」です! ネットオークション(ヤフオク)じゃないです! 本当のオークションです。

 

美術好きとしては、パリで一度、本場のオークションを見学したことがあるのですが、好学のために日本のオークションの現場を見ておきたかったのです。

 

名門の毎日オークションは、東京は有明、大阪本社は四ツ橋にあります。

毎日オークションとは|毎日オークション-絵画・骨董品などの美術品・ジュエリーのオークションなら (my-auction.co.jp)

なんと、今日は東京会場で700回の記念大会で、大物目白押しの会でした。

 

まずは、登録をお願いすると、購入検討用のカタログが送られてきます。これがすごい豪華本なのです。

200Pのオールカラーで、そこに売り主からの希望価格が書いてあります。その金額が、最高5千万円!!

まず、この段階で、世界が違うと思いました。

これ、本当に売買が成立するのでしょうか? そんな疑問のもとに会場に向かいました。

会場に着くと、まずは「下見会」です。

オークション3日前から、実物を詳細に見て、なんと触って!確認することができます。

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実物の長次郎の黒茶碗とかが、そこに展示されてます。ちなみに1点で1千2百万円~1千8百万円也。

そうなると、この展示スペースにあるだけで、300点ありますので、たぶん数十億円の価値が並んでいることになります。これを取引してるんですよ、それも通算700回も、日本の美術市場のスケールに驚きを覚えました。

さぁ、本当のオークションのはじまりです。コロナ禍にもかかわらず、かなり大勢の人が来場しています。

当然、ソーシャルディスタンスが配慮された会場には、大きく3つの買い手が存在しました。

1.来場者 現場に来ている人は片手で掲げる番号札を持っています。

2.電話での参加者 このパターンは映画とかによくありますね。

電話で指示してオークションの担当者が、番号札をあげる形です。

3.ネット参加者 これは新しい参加方法です。

オンラインライブで見ながら、ネット上でビットに参加します。

現場にはネット担当がいて、値が上がるたびに番号札を上げていきます。

そのほかに、事前入札も存在して、購入価格を決めて事前に登録している場合も存在するみたいです。

ちなみに見学だけの私に、番号札はありません(笑)。

 

オークションが始まると、会場の空気が張り詰めます。

700回大会では出展が700点を越えるため、なんと12時から18時までぶっ続けで入札する予定だと宣言されました。競争の激しい作品が加熱するとなかなか終わらないので、時間は読めないのでしょう。全体の時間コントロールはかなり熟練の技を求められるのだとわかりました。

実際のオークションは、魚市場のセリのように、玄人集団のあうんで、淡々と流れていく印象でした。

希望価格よりも下の金額からセリが始まり、順調に希望価格の下限に達すると、だんだん番号札を上げる人が絞られていき、最後にはだいたい2名くらいの争いになり、どちらかが想定限度額になると、ビットから降りて、「ラストコール!」の呼び声がかかり、最後まで粘った競争相手に最終の確認をして、「では***百万円で、No.**の方に!」と宣言されて、1つの展示物に対するオークションが決まります。大体2分から4分くらいですね。

でも、その金額は数百万円から数千万円の取引なので、そのスピード感に圧倒されます。

 

隣にかなりお若い女性が座っていたので、同じ見学の人だと思っていたら、ある商品に来た時に、電話で連絡が始まり、その指示に基づいて、番号札を掲げられ、相当のプロの雰囲気で何点もの作品をセリ落としていました。

 

一番熱かったセリは、翡翠の香炉で、2百万円で開始され、3人での競り合いで希望価格の3百万円を越え、ヒートアップする形で一度4.5百万円まで跳ね上がったのですが、どうも途中で札の順番が狂い、どちらが勝ったかわからなくなり、それにより両者の熱が下がってしまい、珍しく4百万円に戻って仕切り直しされ、結果、隣の席の女性が落札されました。本日だけで1千万円以上のお買い上げです。

日本にも、こういう富裕層のためのオークションがあることを実感しました。

たぶん、売却狙いで購入しているのだと思いますが、それにしても桁の大きなギャンブルです。

 

自分は、映画の買い付けを経験したことがあり、カンヌなどの映画祭で開催されていた買い付けの現場と似た大人のギャンブル感覚を思い出しました。あれはさらに桁が上で、10億円から100億円のビットでした(笑)。

神経持たないと思い、早々に辞めてしまいましたが。

 

若い世代には、ネット上でNFTとかがブームになってます。またヤフオクなどでオークションの経験がある人も多いと思います。

 

一度、リアルのオークションも見ていくと面白いかもしれません。人間の深層心理を垣間見れるいい機会でした。

 


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