後悔しないために 40代、50代になったら読むべき シニア対策 セカンドキャリア
<アジェンダ>
再雇用で年収が下がるのは年齢差別
定年が70歳以上まで伸びてしまう次世代のために
冒険と借金はしない「シニア起業」
フリーなプロフェッショナル人材をキャスティングする時代
全くの新領域の「士業への挑戦」は正しいのか??
シニア起業への準備
*この記事は、特にアーリーリタイアや定年が気になる、45歳以上の方にお読みいただきたい内容です。
再雇用で年収が下がるのは年齢差別
定年後の生活で多くの方は、同一の会社・団体において「再雇用」を選択されていますが、自分はこれをまず選択肢から外しました。
なぜなら「雇用延長」という美名の元に、同じ仕事をしながら、給料が下がることが納得いかないからです。
「同じ仕事をしながら給料が下がる」、これは明確な「年齢差別」だと思います。
その人のスキルやキャリアの評価より、年齢一律の評価が先にあるのです。
まったく同じ意味で。社会風土として根付いている「定年」というのも「年齢差別」だと考えます。
医学と衛生概念の進歩で寿命が伸びた「人生100年時代」において、健康寿命は個人個人によって違います。
年齢だけを基準に強制的に職場から排除されるこの社会制度にはどうしても納得がいかないのです。
これは「他人に人生を左右されない」という自分の掲げてきたモットーを脅かされる重大な事態なのです。
自分が58歳で退職した理由のひとつが、この年齢が、いまここにある「年齢差別」と闘うためのギリギリの年齢だということでした。
自分は強い態度でこの旧弊の社会制度に抵抗しよう、と思っています。
そのためには、自分の健康・体力・気力を鑑みて、実際に行動できる年齢で反抗を開始することが大事でした。
そして抵抗活動を始めるなら、雇用延長の最大期間を越え、75歳ぐらいまで稼ぎ続ける方法を確立すること。
こうした決意が「他人に人生を左右されない」というモットーに忠実な、自分の58歳の決断でした。
定年が70歳以上まで伸びてしまう次世代のために
さらに欲張って考えれば、定年が70歳以上まで伸びてしまう次世代のために、自らが新しい高齢社会人として「新しい働き方」を示すモデルケースになりたいと願いました。
こうした社会制度をぶっ壊すためにはファーストペンギンになる覚悟が大事で、この年齢差別と闘う長い闘争には、水先案内人が必要だと思ったのです。
だから58歳のアーリーリタイアであり、75歳までの持続可能な働き方なのです。
これを実行するには、定年の60歳(65歳)では遅すぎたのです。
冒険と借金はしない「シニア起業」
では、再雇用以外のどんな方法があるのか? いま、この課題と真剣に向き合っています。
そこで重点的に「シニア起業」ということを調査・研究しました。
起業というと、リスクの大きなビジネスの事だとだけ考え、この年齢から始めることに尻込みする方が多いのですが、シニア起業では、「冒険と借金は絶対にしない」ことが推奨されています。
実際65歳から公的年金が支給されるのであれば、そんなに多くの稼ぎをノルマにしなくてもいいのです。
だからこそ自分は58歳でのプチ・アーリーリタイアを掛け合わせたのです。
すでに65歳まではなんとか食つなぐだけの蓄えは準備してあります。
この多くを稼がなくてもいい、という前提は、起業を考えるうえで非常に有利になります。
この年齢の起業では、大儲けすることよりも、自分のスキルやキャリアを認めてもらい、生き甲斐が継続する形態こそが重要なのです。
だからこそローリスク&ローリターンで実現すべきなのが、シニア起業なのです。
フリーなプロフェッショナル人材をキャスティングする時代
シニア起業では、個人事業と法人設立の境界もあいまいです。フリーになって「業務委託」を受ける。これが基本形です。その時、発注先からの信用の問題で、個人発注にできるかどうかが、会社設立をする課題になります。
実践的には、会社を興すにしても、社員を雇わない「ひとりビジネス」がベターだと思います。
なにしろローリスクを目指しているのです。 まず、一人でできることで、プロジェクトに参加する。それ以上のことは、プロジェクトに、同様のプロフェッショナルを招いて、互いに専門分野を組み合わせて実現すると考えていけばいいと思うのです。
これは、自分がかつて所属した映画産業では当たり前の「プロフェッショナル人材のキャスティング方法」です。
そこではプロジェクトごとに、監督を選び、スタッフを募り、俳優を公募するのです。プロフェッショナルな人材がタスクごとに発注できる受発注環境がありました。
これが重要です。
そして、しっかりとタスクを完了したら、相当の支払いが実行されることが大前提になります。
これも重要です。 世の中フリーのプロをタダ働きさせる事が多すぎます。
そのために映画業界では、各プロフェッショナルな人材群ごとに「組合」が存在しています。
この組合が業界標準のペイメントを示していけば、プロを雇う場合の「それ相応の価格」が、ガラス張りになっていきます。
支払いを実行されない場合などの事態においては、個人ではなく組合として戦います。
もちろんそんな発注主は、次回以降の信頼を失うため、組合のメンバーはだれも公募に応じなくなります。
私は、こうしたプロジェクトベースの働き方が、今後の世代の主流になると考えています。
すでにグローバル企業は「JOB型採用」に舵をきっています。DX人材を含めて、特殊な専門知識を持つ人材の争奪戦は始まっています。
加えて今後の社会情勢を考えると企業の寿命はさらに短くなり、企業に属さないフリーランスへの発注は増えることが予想されます。
ただし、現状、フリーランスの労働者は、生活も将来展望も見通せない、不安定な状況に押し込まれています。
故にこうしたフリーランスのプロフェッショナルを守る仕組みが社会的に必要になると考えています。
全くの新領域の「士業への挑戦」は正しいのか??
フリーにおける安全性を求めると「士業への挑戦」を考え人が多いと思います。
しかし弁護士、医師ならまだしも、開業後すぐに稼げる士業は限られています。資格を取りに行く時間も計算に入れないといけないので、そこは悩みどころです。
自分は健康寿命を75歳と想定しているので、残り15年で、士業獲得のために費やす2-3年の遠回りは微妙だと思いました。
「起業・創業」の情報収集をしてみました・シニア起業への準備
悩んでいてもしょうがないので、最初にシニア世代の持続可能な働き方について、情報収集に動きました。
そこで出会ったのが「東京創業ステーション」でした。
東京創業ステーションは、東京都が主催する起業家支援センターです。
ここは世代や規模に関係なく、東京都民の起業を後押ししてくれます。
TOKYO創業ステーション (startup-station.jp)
東京創業ステーションが主催するセミナーに参加して、いろいろな情報を得ました。 そこで得た「定年後の年齢差別」についての情報です。
・現在は、「改正高齢者雇用安定法」の施行を先読みして、定年予備軍である50歳以上の高齢者の肩たたきが進行している。
・加えてコロナ以降の解雇が増えており、オリエンタルランドで騒がれた45歳以上の早期退職も問題になっています。
・その反対に兼業・副業を認める企業は増えているそうで。裏には「JOB型雇用」への流れがあるようです。
・コロナ以降の社会変容に対応するためなのか、2021年は起業件数が過去最大になりました。
・そのなかでは将来に大きく成長を望むスタートアップ起業よりも、解雇や失職に追い込まれた形でのスモール起業モデルが目立つ
とのことでした。
シニア起業セミナーのポイント
・シニア起業で大事なことは、自分の得意分野を棚卸しすること。
・その振り返りで見えた「自分の独自の価値をお金に換える」という発想が最重要。
・その際、マネジメント経験や社会人能力という一般的な部分より、自分が持っている既存の専門知識・技術が差別化ポイントになる。
・加えて、次の起業に必要なスキルと経験を調べて、それを把握する。
・そこで自分に足りないスキルや経験が見えてくる。
・助走期間を有効に使い、不足しているスキルを磨き、経験を積む。
・それらが整った状態で「シニア起業」するべき
というものでした。
これらは、「大儲けすることよりも、自分のスキルやキャリアを認めてもらい、生き甲斐が継続する形態」という自分なりのシニア起業コンセプトに合致しており、納得感が高いものでした。
東京創業ステーションでは、個別のキャリア相談、起業相談に応じてくれる企業コンシェルジュや、弁護士や行政書士的な専門相談にも無料で応じてくれるそうなので、今後継続して活用していきたいと思います。
今回は、シニア起業を中心に書きましたが、起業するかどうかもまだまったく決めていません。
ポイントは、自分の人生を自分の意志で「何度でもアップデートしていく」ことだと思っています。
ライフデザインを自分自身で行うこと、他人に人生を左右させない、という強い意志を今後も貫いていきたいものです。
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