北京五輪中は、毎日、カーリング観戦をしていました。
女子カーリングが主体ですが、ミックスダブルス(MD)も、男子も見てました。
日本代表が出てない試合でもTV中継があるなんて、幸福な時代です。
観戦スタイルも今回は本気でした。
おもちゃのカーリングゲームを使って、すべてのショットを一投づつリアルタイムで再現するという徹底ぶりです(笑)。
カーリングの試合は長いんですよ、3時間くらい。それを一投ずつ、このゲーム用の石をレーンの軌道に合わせて曲がり方を体感するために自分で運びます。
これやって、本当にスキップの指示する「幅」とか、「曲がり」、「速さ」がよくわかるようになりました。
ほとんどの試合で、これをやりながら、1エンドずつtweetしてました。この模様は、ぜひTwitterで見てください。
太田 泉さん (@IZUMI_OTA) / Twitter 「#北京五輪はカーリング三昧」のハッシュタグつけてます。
アーリーリタイア後の生活で、なにが贅沢かというと、こういう時間を自分の意思でしっかりと確保できるということです。
以前は、時間がないので、ダイジェストみたり、2倍速したり、リードとセカンドは省略したりと残念な視聴してました。
この10日間、これだけ真剣に競技に向き合ったのは、サッカーのW杯以外にはないと思います。
また、今回は、日本カーリング協会さんが立ち上げた「#カーリング沼」というYouTubeの企画が素晴らしくて、
試合後に必ず視聴し、コメントしたり、tweetで応援したりしたので、さらに一体感が増しました。
なにしろ、あの壮絶な日本代表決定戦を闘ったライバルチームのフォルティウス(元北海道銀行)や中部電力、富士急などの現役選手が出演し、選手ならではの視点で今日の試合を振り返るという、これ以上ない解説が聞けました。
北京五輪で「カーリング沼」にハマる がんばれマイナースポーツ! – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)
開始当初は、400人程度だったけど、決戦の前の回は8000人近くの人がライブに来て盛り上がりました。
上記の記事でも書きましたが、カーリングは、オリンピックの度にブームにはなるけど、カーリング場が関東にすらないという一般普及には様々な積年の課題があります。
協会がこうしたSNSの発信をすることで、すそ野を広げ、課題を共有していこうと努力している姿に触れ、それならば、「ともに進もう」という気持ちになっていきました。
今回の日本カーリング協会の取り組みは、マイナースポーツの普及のためには大きな一石になったと思います。
そして、準決勝の日が、またカーリング普及と縁の深い日で、これも長野五輪からのファンとしては涙しました。
カーリング史上初の五輪決勝進出…“伝道師”小林宏さんの命日に決めた : スポーツ報知 (hochi.news)
引用「小林さんは、05年に自費で国内初の民間運営カーリング場「Curlplex Fuji」を開設した。
最も知られているのがカーリングの伝道師として熱すぎる解説。
「コンシード」、「This is curling!」と絶叫した。 16年2月18日に68歳で亡くなった」。
なんか本当に真摯な思いって、大事なんだと思います。
こういう市井の人の「前代未聞の取り組み」が、本当の意味で社会を前に進めているんだと思いますし、自分もそうありたいです。
さて、写真は、応援しているロコソラーレのスキップ藤沢五月選手の手の甲に書かれたメッセージです。
Stay Positive Support each other
予選リーグでこの時、4連勝のあとの韓国・イギリスに2連敗、残り2戦のうち少なくとも1勝しなければ、決勝ラウンドに行けない土壇場の試合のアメリカ戦。その追い詰められた状況で、スキップの藤沢選手が「ポジティブで行こう! みんなで助け合おう!」のメッセージを手の甲に書いています。
いいなぁ、ロコソラーレのタフネス、ソウルメイトを信じて協働する行い。
彼女たちから学ぶべきことは、まだまだあると思いました。この手の甲のメッセージは今回、海外メディアでも取り上げられていまして、特にスイス戦で「Be Satsuki」とコーチのJDリンド氏が書いたメッセージが話題になりました。
Be Satsuki Be Loco Solare 彼女たちらしさをそのままに!
今回の観戦で気づいたことがあります。彼女たちの笑顔には立派な戦略があります。
この日本代表は、「4人全員で投げる」という「クレイジースイープ」のチームなんです。
スキップが作戦を立て、メンバーの一人が投げる、だけどそれから目標達成のためにスイーパーが履き続け、残りの2人が状況をコールし続ける。そして着地したときに必ず「ナイス!」と励まししあうのです。これが「クレイジースイープ」と言われるゆえんです。
実際、対戦チームと並んでびっくりするのはその体格差です。身長差で20cmあるんじゃないでしょうか。
スイープをし続けるのは楽ではないはずですが、重心の低さを武器に、磨き上げたスタミナを武器に世界一に仕上げたのです。
そして、小柄らな彼女たちの最大の武器が「コミュニケーション」だったのです。それも高速で緻密な会話が、彼女たちのストロングポイントなのです。
氷の上という不安定なステージで行うカーリングはリセットする競技です。
局面局面で先ほどまでの状況とは想定外の事態が起こります。その不測の事態を受け入れて、できることを瞬時に見極めて、目標を設定し、全員が共有して、なるべくそれに近い作業をする。でもそれができないときは、Bプランに切り替える。
そんなことが10エンドも続く競技です。
ここで、重要なことが、「メンバーとの意思疎通」なのです。
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Stay Positive Support each other というのは、この「メンバーとの意思疎通」のためにあります。
また、日本代表のロコソラーレは、国内の代表決定戦で、2連敗を喫して崖っぷちに追い込まれました。
その時に有名な「運命を変えよう!」が合言葉になります。そして「弱さの共有」という新しいチャレンジが始まりました。
彼女たちは今回「わたしダメかも」「そろそろ決めたい」などマイナスの言葉を多く発しています。
その時すかさずメンバーが救いの言葉をかけます。そこで笑顔になるのです。
ただただへらへらしてるのではなく、相手に救われて笑顔になるのです。Stay Positive Support each otherの意味はそこにあります。
実際、日本の掛け声 NAISU(ナイス)が海外ですごく人気で応援団まで出来ました。
この「NAISU!」も、見ている側からすると、Aプランで決まらなかったとき、さらに言えばBプランですらなかったときにも、「NAISU!」と声を掛け合っていました。
他国の選手がメンバーのミスショットの時に顔を曇らせていたのとは対照的でした。
ここもStay Positive Support each otherの表れで、彼女たちは意識的にミスショットのときこそ笑顔で励ましあっていたのです。
準決勝が終わって、「金メダルを取るのは、楽しんだ方だと思う」と真剣に思いました。
なぜなら、審判を置かないカーリングにおいて、真摯にポジティブに競技に向かい合い、相手を称え、仲間を尊重するのがカーリング・スピリットであり、それを表現していたのは、誰よりもロコソラーレの彼女たちだったからです。
長野五輪からカーリングを見てきて、これほど誇らしい日はない。ありがとうロコソラーレ、ありがとうカーリング沼🥌
「笑顔でセレモニーの壇上に立ってください。そこは平昌より一段高い場所だよ」
(1)29・2%「カーリング女子・決勝 日本―イギリス」(2月20日NHK総合)
(2)26・7%「カーリング女子・準決勝 日本―スイス」(2月18日NHK総合)
この視聴率の数字が、素晴らしいと思いました。
常呂という一地方でまかれた種が発芽して、次第に影響の輪を拡大して、ついには国民的なスポーツになった。
でもそれは4年に一度の盛り上がりで、そのことを何度も経験してる日本カーリング協会はそれを克服しようと努力している。
そして、自分としては、今回、年齢的に学ぶべきは石崎琴美選手だと思いました。
ロコソラーレに加わったラストピース。
選手たちをサポートすることに専念して、結果、冬季五輪最年長メダリストになられました。
琴美さんが、これからのゴキゲンLIFESHIFTの一つの目標です。
こちらの記事をセカンドキャリアで獲得した自由時間の活用についてのまとめ記事にしています。
【まとめ記事】アーリーリタイア したからこそできる事 – ゴキゲンLIFESHIFT (gokigenlifeshift.com)
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