村上春樹 主義者の愉楽「村上春樹ライブラリーに行く」早稲田大学国際文学館【体験談】

村上春樹主義者、聖地・村上春樹ライブラリーに行く

 

このブログでは以前にも、村上春樹主義者であると宣言しています。

村上春樹 主義者の道楽本出版 「1Q84読解」アーリーリタイアしたらしたいこと – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

そんな村上春樹主義者にとって、新たな聖地になる場所ができています。

早稲田大学国際文学館、通称「村上春樹ライブラリー」です。

2021年10月1日にオープンして、コロナ禍の制限付き開放だったこともあり、大人気。

まったく予約が取れずにいましたが、そろそろ落ち着いてきたようだと判断して、本日、行ってきました。

 

場所は、早稲田大学の正門から入って、緩やかな坂を上って、春樹氏も在学時代によく本を読むために使っていたという坪内博士記念館の隣になります。

早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー) (waseda.jp)

 

隈研吾が、日常にぽっかりと開けた「トンネル」

建築は、隈研吾氏です。

元の建物の形態を生かしながら、「トンネル」というコンセプトを内と外に貫通させています。

「村上さんの小説を読み始めると、僕はトンネルの中に吸い込まれていくような感覚を味わう」

隈氏は、そんなトンネルのような建物を目指したというメッセージを残しています。

「そのトンネルの入り口は、この見慣れた日常の世界の中に、突然にぽかんとあいている。

トンネルは、奥へ奥へといざない、最後のページを閉じると、また突然に日常に放り出される。

その時、僕は穴に吸い込まれる前の僕とは全くの別の人間になっている」

映画「ドライブ・マイ・カー」が、まさにトンネルの映画でした。

主人公とドライバーが物語の後半、広島から北海道へのロングドライブをする。

その道程に何度も現れるトンネル。

出たり入ったりしながら我々は異世界に迷い込みます。

トンネルから出た後、傷ついた主人公は、全くの別の人間として再新再生されています。

そして、ドライバーの物語も、まったく別の場所に再新再生されています。

 

村上春樹における「トンネル構造」、今日はこのことに気づく一日だったようです。

羊男の図書館で読んだ「村上春樹雑文集」

 

みんなが、ここに来ると写真に必ず撮影する羊男がいました。

佐々木マキの羊男だと思ったら、なんと村上春樹雑自身の絵だそうです。

ライブラリーの名前の通り、ここは村上春樹の関連書籍が全世界から集まっていました。

さらに、村上春樹から影響を受けた作品などに収集は広がり、その関連性を想像する愉悦を与える構造になっています。

今回、ここで自分が手に取ったのは「村上春樹雑文集」でした。

以前に読んでいた気になっていたのですが、どうも初見でした。

 

そこで、核心に触れる文章を読みました。

小説家が、なぜ現実世界に力を与えることができない物語をどうして書き続けるのかという文章です。

 

ー現実世界をずらして、虚構の世界を構築し、

そのなかでリアリティーを創り、読者をその構造体に招き入れるー

ー小説家は答えを出さない。読者が気づくのだー

ー眠っている猫を持ち上げてそこに置くように、虚構の構造体にそっと置いてくるー

という内容です。

 

だからね、今日は、村上春樹における「トンネル構造」に気づく一日だったと、予言したでしょ。

今日の気づきにドンピシャの文章です。

 

こういうのはシンクロニシティするものなのです。

人生のゴキゲンは、それに気づくかどうかなんですよ。

 

それにしても、こんな自分の作風の核心に近いことを開示する文章があったんですね。

 

Jazzが流れる異空間

 

入口をはいるとオーディオルームで、Jazzが流れています。

これも村上春樹のコレクションだそうで、ちゃんとLPをプレーヤーでかけてくれてます。

久しぶりに聞くプチプチというノイズも居心地がいいものでした。

 

完璧な村上春樹的ドーナツ

地下1階には、「橙猫」というカフェがありました。

このカフェは予約なしで利用できるそうです。

 

 

そこで、長年来追い求めていた食べ物に出会いました。

完璧なドーナツです。

 

 

甘いものが好きではなかった若かりし頃、村上春樹の小説に出てくるドーナツを読んでから、私は「村上春樹的なドーナツ」を探し続けていました。

そして、30数年経って、やっと出会いました。これが、完璧な「村上春樹的なドーナツ」です。

「なにが? どうして?」と言われると、その理由を説明するだけの言語能力を自分は持ち合わせていません。

でも、これは、完璧な「村上春樹的なドーナツ」です。気になる人はぜひ確認しに行ってください。

 

 

それで、サンドイッチも、かなり村上春樹的なサンドイッチでしたよ。

これも試してみる価値あり!

 

物語を拓こう、心を語ろう

 

村上春樹のメッセージ、読んでください。

学ぶということは、学生時代に完結するものではありません。

僕も、学ぶことが好きです。


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