【体験談】カーリングから学ぶべきは VUCA時代の「リセットする力」

カーリングから学ぶべきは VUCA時代の「リセットする力」

 

VUCAの時代

 

カーリング日本代表が北京五輪最終予選に挑んでいます。

自分は2006年トリノ五輪のカーリング娘時代から、女子カーリングを観戦するのが冬の趣味になっています。

カーリングを観ていると、先行き不透明なVUCAの時代に求められる「リセットする力」の必要性をまざまざと痛感するのです。

VCCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)

 VUCA – Wikipedia

カーリング場の氷の状態は刻一刻と変化します。ストーンと呼ばれる重い丸石を40mも先のターゲットに投げ込むとその氷との摩擦によって、軌跡はさまざまに変化をします。さらにストーンとストーンが衝突した後の変化も事前の想定を越えることが多く、これほど偶然性に左右される競技も珍しいと思います。

この変化する局面が、現代のビジネス世界と酷似していると思うのです。

 

グローバル化、デジタル化、多様性、高速化


いまや牧歌的なマーケティングの時代は終わり「自分だけの戦略を、固定した市場に投下すれば業績が上がる」という単純な正解はどこにもありません。
競合会社の動き、気まぐれな市場トレンド、他領域の景気の影響、技術開発から国際政治などの諸要素が複雑に絡み合い、変化を読み切るのはだれにとっても至難の業です。

さらにグローバル化とデジタル化のために、多様性と高速化が加わりました。

それらを指して「VUCAの時代」というのでしょう。

 

局面の変化にどう対応するか AプランとBプラン

 

でも、先行きの見えない状況でも、選手たちは戦うのです。
先行きが見えないからこそ、新たな工夫を加えて、彼女たちは日々挑戦しています。

当然、事前の戦略・戦術・作戦は練り上げて試合に臨みます。でも想定通りにはいかない。そこで、まずは互いの意見を明確にして、各々の役割に基づいた積極的な発言で、局面ごとに修正プランを徹底的に話し合います。

そして、一投づつに対してAプランとBプランを設定します。これをしっかり全メンバーで事前合意する。ここまでの打ち合わせ時間は、とても短いですが、濃密です。

ストーンから指が離れた瞬間から、高速でPDCAが回り続けます。40mを12秒程度で石が移動する間に、大きな掛け声をあげながら、軌道修正を細かく続けます。
投手役のメンバーと、ストーンの現場にいるスイーパーと、目標地点にいるスキップの3か所のメンバーが刻一刻と状況を知らせあい、Aプランを死守するのか、Bプランに切り替えるのかを即決していきます。
またBプランに切り替えたとして、衝突後の石の軌道を最後まで修正するべく最後までスイープし続けます。

 

失敗も成功も正しく結果を受け入れる



それでも、ストーンの着地地点は想定外の状況を生みます。

選手はそこから互いの意思疎通の健闘を称え、失敗も成功も正しく結果を受け入れ、次の局面の作戦をゼロから練り直すのです。ここがなにより素晴らしい点なのです。

先ほどまでの局面をすべて忘れて、新たな状況を打開するための一手を考える。この時のリセット力が肝心なのです。先ほどの成功に酔いしれたり、失敗に過度に委縮することもなく、次の局面を新鮮な心持でゼロから考え直すのです。

そのゼロリセットして、再度チャレンジする姿は、本当に素晴らしい。

一つ投げるごとに、このゼロリセットを繰り返し、16投して1エンドが終わります。得点がどちらかのチームに入るが、それも組み込んで新たな状況として把握して、淡々とリスタートする、それが10エンド続く。
そうした「リセットするゲーム」がカーリングなのです。

 

レジリンス=回復力を身に着ける

そこで繰り広げられているのはまさに「レジリンス」というべき回復力なのです。
タフで、ストレスフルな局面の連続であれば、あるほど、この「リセットする力」が必要なのだと思います。

日本代表のロコ・ソラーレはこのリセットを繰り返すときに、笑顔で、相手を称えながら、味方を鼓舞しながら、ゲームのすべてに敬意を表していきます。
タフで、ストレスフルな局面であればあるほど、彼女たちの楽しけにふるまいます。その美しく戦う姿は感動を呼びます。

人生はなんどでもリセットできる。

 

そのとき、成功も失敗も一つの経験として、淡々と次にチャレンジする。
挑戦する局面、局面に対して新鮮な志で立ち向かう。
メンバーと前向きに楽しく激論しながら、作戦を実行する。
そして、変化を友達にして、軌道修正を繰り返す。

一つの局面が終わったら、「忘れる」。
そして、次の局面に立ち向かう。なんどでも、なんどでも。

カーリングから学ぶべきは、「リセットする力」なのです。

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カーリング | NHKスポーツ

 


こちらの記事をセカンドキャリアで獲得した自由時間の活用についてのまとめ記事にしています。

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“【体験談】カーリングから学ぶべきは VUCA時代の「リセットする力」” への5件のフィードバック

  1. […] いつ死ぬかは正直誰にもわからないので、ここはカーリングから、Aプラン、Bプランの切り替えに学びましょう。危なくなったら、その場で判断してライフプランをスイッチするのです。カーリングから学ぶべきはVUCAの時代の「リセットする力」 – ゴキゲンLife… […]

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