アーリーリタイアの「リアル収支」 激動の2022-23年 サイドFIREで280万円プラスマイナスゼロを目指す!

アーリーリタイアの収支報告

 

2021年12月にアーリーリタイアをしたので、丸1年が経過しました。

FIREを検討している人には、アーリーリタイアライフの「リアルな収支」が気になることだと思います。

そこで、今回は、この1年間のアーリーリタイア後の収支の全容をお伝えします。

まとめ

綿密なFIRE計画の落とし穴

計画外の「地政学的な危機」

 

・生活費280万円 ミニマムライフのリアル

・年金支給までは「年金型生命保険」切り崩しがメインに

・サイドFIREの「併業(副業)」で稼ぐ

遊興費は別枠管理が正解

 

正直に報告すると、退職1年目は退職金や税金、年金、健康保険など特別な支出や収入が多く、簡単に平準化できません。みなさんが期待するようにはわかりやすくありません。特に私は同時期に母が急逝し、葬儀やお墓を同時に工面しなければならなかったため、一般的な抽出は難しい状態でした。

 

そこで、収支が安定した半年後のデータを利用して、1年間のシミュレーションした内容で記載していきます。

 

全体論 綿密なFIRE計画の落とし穴 計画外の「地政学的な危機」

 

誰しもFIREを計画している段階では、安定した経済環境が基本にあると思います。

 

つまり、100年に1度クラスのリスクを織り込んでいないのです。

 

FIRE指南書が云う「いまの資産を104%で運用すれば、生活費は捻出できる」というのは、残念ながら「今まで同様の市況がこのまま継続すれば」という甘い幻想の上に立脚しているのです。

 

もちろん私もFIREを計画している段階で、過去20年と同じ、右肩上がりの市況をベースにしていました。

しかしながら東北大震災やCOVID-19という経験が、50年、100年に一度の「経済的な危機」に対する心構えを教えてくれていました。

そこで2021年秋、アーリーリタイアが現実化した頃から証券会社等の担当には、「自分の人生で考えもしなかった震災や疫病が起こった。なので今後、戦争が起こることも前提に動きます」と宣言していました。

 

今回のようにロシアが動くことを具体的に予言していたわけではありません。

その当時の朝鮮半島と中国大陸の動きに加え、欧州の不穏な流れを読んでいたのです。いままで、世界の警察としてそれらの抑えになっていたアメリカの弱体化を考えれば、北朝鮮、中国、ロシアあたりがいつか戦争に舵を切ると予想しておくことは必然でした。ただし、世界的な物価上昇は想定を大幅に上回っていましたし、株価の暴落も想定外の衝撃でした。

 

それでも、FIREを継続するには、いかなる状況になろうと、しなやかに計画を修正する柔軟な対応力が必要なのです。

 

あらゆるFIRE指南書が「投資益104%」という安易な数値で計算するように勧めますが、このレベルの緊急事態が起こると「2-3年は、投資益ゼロ、かつ、資産の大幅な目減り」が起こります。

 

こうした「想定外の事態に堂々と向き合えるかどうか」 これがアーリーリタイアの勝負どころだと思います。

 

今回の事態から教訓を言えるとすれば「今後、FIREを想定している方々には、自分の計画に対して、地政学的な危機や、疫病や天災の可能性を少なくとも25年に一度はあるということを織り込んでもらいたい」ということです。

 

学び FIREには、状況に応じた柔軟な計画修正が必要

 

ではこの激動の2022年に、どう対処したか。支出の部と収入の部でレポートします。

 

支出編 ミニマムライフをインフレが襲う

 

アーリーリタイア後の最大の課題が「支出管理」でした。

そこでFIRE前もって、支出はなるべく抑える、贅沢を追い出す方針をたてました。

この「ゴキゲンLifeShift」ブログでも、次のように宣言しています。

 

循環型志向でミニマムな暮らしを育む

ブランド品や贅沢品を散財するバブルな暮らしは、ゴキゲン Life Shifterとは真逆の生き方です。「余分な資産を残さず、死んだときに使い切るため」。そのためにも、なるべく生活費の支出は切り詰め、質素倹約を心がけます。ただし過度な「ケチな暮らしぶり」はゴキゲンではないですよね。目指すべきは毎日がハッピーになる「粋な暮らし」です。

ゴキゲン Life Shifter の信条 あなたのためのアーリーリタイア実践法 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

この方針に基づき、ミニマムライフの支出をデザインし、節制をもってコントロールするアーリーリタイア後の「新しい日常」が始まりました。

 

ところがその時、ウクライナ戦争に端を発した世界的なインフレがこのFIRE計画を襲いました。

年金生活者と同様、FIRE実践者は労働賃金の上昇の影響を受けません。物価上昇は死活問題です。

 

結果、さすがに「粋な暮らし」とは言えない、質素倹約を主体にする「切実な日常」が訪れました。

結果が以下のものです。

・住宅費 75万円:ローン完済済み。管理費、固定資産税など

・光熱費 25万円 :22年後半から急激に増加

・電話・携帯費 9万円:Povoの切り替えが大成功

・新聞・NHK 8万円

・健康組合・保険等 80万円:初年度負担含むため

・医療費 7万円

・食費・交際費 + 衣服・家電・ソフト費用その他 80万円

支出全体で284万円が、初年度支出実績です。

目標の300万円以下で落ち着いたので、初年度としては成功かと思ってます。

 

2年目は、これを地道に無駄取りしていこうと考えています。

大口から考えると、やはり食費ですね。エンゲル係数はまだ高いと思います。

次に健康組合・保険等ですが、初年度の移行費もあるので、来年は落ち着くはずです。すでに掛け捨て的な生命保険はすべて契約を終了しました。

今後最も節約を検討すべき項目は、ずばり「新聞代 5.3万円」です。これだけネット情報がメインになると、新聞代の家計負担は見直さざる得なくなってます。50年来の読者がこれですから新聞購読者が減るもの納得です。

 

*実際には、変形性膝関節症のAPS再生医療(保険適用外)などで医療費はかなり高額でしたが、ここでは排除しておきました。

また遊興費については、別枠で最後にお話しします。

 

結論1 生活費280万円のミニマムライフ

 

収入編 ウクライナショックがFIRE計画を崩す

 

支出編と同じく、収入の部もロシアのウクライナ侵攻が、私のFIRE計画に大きな影をもたらしました。

事の経緯と株価については、愛読しているまるきよさんのブログが非常に詳細にレポートしてくれているので、そちらを紹介します。

酒場からのマーケット2022 12月30日&2022年の振り返り。|まるきよ|note

 

アーリーリタイア初年度の2023年第1四半期は、退職金などの運用のため、大きく投資に動いていました。実際には、SMAの大口買い付けに入っていました。

これはブログで報告したように「アーリーリタイア後はあまり資産運用で悩まない」という方針に従ったものでした。

参考記事

SMAでアーリーリタイアに向けた資産運用 FIRE、経済的自立を目指す方へ – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

このSMAを買い付けに行った直後からの戦争による株価急落が始まりました。

もちろん従来から投資していた投信、株式などは軒並み大暴落です。さすがに凹みました。

 

でも、ピンチはチャンス! 暴落は投資チャンスでもあります。

 

転ばぬ先の杖で、購入機会を分割しておいたので、第1四半期だけでなく、昨年1年間に渡って、平均すれば相場の下がった場面で購入することができたと思います。

これがウクライナ戦争の底であるならば・・・ですが(笑)。まぁ株価の下がった局面で購入できたと信じて、しばらくは様子を見ることにします。

参考記事

FIRE・アーリーリタイアを目指す投資術1 投資を始めるタイミング 暴落相場 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

問題は、「毎年の収入を資産の投資益で生活する」という事前のFIRE計画が実現できないことでした。正直、この株価暴落で、2022年の「投資益」は当てにできませんでした。

 

そこで大幅に計画を入れ替え、年金型の生命保険の受け取りを切り上げました。本来はこの受け取りを5年後からスタートするつもりでしたが、柔軟に考えて、これを投資益代替のメイン原資にしました。

これに加えて、SMAの定時払戻金を設定しました。正直に言えば、この2つの施策で、5年分の年金支給額程度の資産を切り崩したということになります。

 

それでも、自分としては、想定外の事態に堂々と向き合い、しなやかに対応できたと思っています。

 

同じくこの苦い経験から、FIREを志す方々に忠告があるとすれば、こうなります。

FIRE実践では投資益をベースに生活費を工面できない年度がある、それを事前に織り込んでおいてほしい。

 

結論2 年金支給までは「年金型生命保険」の切り崩しがメインに

 

最近のFIRE4区分で言うと、私のFIREはリタイア後も地道に働いて少額ながら稼ぐ「サイドFIRE」というものです。では、どうやって稼ぐかということがポイントになります。

その過程は、いままでもシニア起業のコーナー等でご報告してきました。

参考記事

シニア起業 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

とはいえ初年度は、合同会社への資本金などの投資がかさむだけで、実績収入にはなりませんでした。

そのことは織り込み済みでしたので、昨年はいくつかバイト感覚で併業をしてコンサル的な収入を得ました。実質3か月労働や、週1回のバイトを並立させたのです。

メインの稼業がない分、こうしてリスク分散しておくことは大事だと思います。これらのパラレルワークがFIRE生活の危機を守るのです。

 

結論3 サイドFIREの「併業(副業)」で稼ぐ

 

上記の2つの柔軟な収入活動で、生活費の支出280万円はプラマイゼロになりました。

私が提唱するゴキゲンLifeShiftの真骨頂は、この基本部分は死守するとして、それをしているだけでは、ゴキゲンではないということです。

 

リタイアすると、先行きの不安から支出を極端に抑えて、人生の娯楽も放棄してしまう前例が周りにたくさんありました。

 

そこで、ゴキゲンLifeShiftでは「お金は自分が死んだときまでに使い切る 余分な資産を残さない」

という方針を提唱しています。

 

実際には遊興費を基本生活費と分離し、生涯分の費用を別会計で管理し、「リゾートノルマ制度」を導入して、遊興費の年間予算をしっかり計上し、それをノルマとして実行しています。

参考記事

アーリーリタイアのリアル「ゴキゲンLIFESHIFT 式 人生収支計画」 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

・リゾート費口座

「人生でやりたいこと100リスト」を叶えるための活動です。我々夫婦は75歳まで人生の黄金期を思う存分楽しもうと話し合い、年1回の海外旅行+季節ごとの国内旅行を最優先として費用計算して、独立口座に15年分を貯蓄をしました。

昨年は、3年ぶりにハワイ旅行もできましたし、定宿の温泉にも2回して、互いの誕生日にも贅沢をしました。

・教養・趣味口座

教養や趣味に熱中することも、人生を楽しむためには重要な要素だと思います。自分は陶芸を90歳代まで続けたいという希望があり、様々なテーマを研究する書籍も大きな支出です。映画や観劇も月1本はしたいので、こちらも生涯予算を別口座で管理しています。

 

日常が、かなりケチケチなので、このゴキゲン体験があることで、リタイア生活のメリハリになっています。

 

結論4 遊興費は別枠管理

 

2022-23シーズンは、想定外の地政学的危機に見舞われましたが、それなりにゴキゲンLifeShift生活を送ることができました。この経験とデータをベースにして、日々改善して、さらなる「ゴキゲン×ヤリガイ人生」をつくっていこうと思います。

投資益は出ない年でしたが、実は最大のリスクヘッジとして、自分の会社に投資をしました。これが将来、どのように育つかで、この年の成果が判断できると思います。それが5年後なのか、10年後なのか、わかりませんが。


コメントを残す