FIRE・アーリーリタイアを目指す投資術1 投資を始めるタイミング 暴落相場

暴落相場を乗り切って「経済的自立」をつかむ話

 

今回は投資のお話ですが、確実な儲け話は存在しません。投資は自己責任で!あくまで参考としてお読みください(笑)

 

2022年6月の市場を投資家ならどう見る?

日経平均27761 NYダウ32899 wti原油120.26 ドル円131(6月3日段階)

中国のコロナ再発・上海閉鎖、ロシアのウクライナ侵攻等の影響で、市場は、何年かぶりの大荒れです。

 

市場に投資している人間は皆、保有資産が大崩れ、時価総額が激減している状態だと思います。

もちろん、私もアーリーリタイア後のベースにしている投資資産が大きく目減りしています。

 

 

経験はひとを鍛える

 

それでも、暴落相場は初めてではありません。

投資を始めて四半世紀以上になりますので、恐慌状態を何度か経験しています。

 

バブル崩壊の時期は若く、そんなに大金を張り込んでなかったので、影響は少なくすみました。

最も影響受けたのは、リーマンショックでした。

資産が半減した時期もありました。取り戻すのに3年はかかりました。

 

その経験は、ひとを鍛えます。

 

まず、準備が違います。

いままでは、恐慌になると、資産が下がるのを黙って見続けて、下げ止まることをただただお祈りするだけでした。

そのとき自分に残された選択肢は「ゆっくり上がっていく相場をただ待ち続けるだけ」でした。

 

しかし、ピンチはチャンスなのです。

 

この状態で市場に追加資金を投入できれば、最低価格で購入できることになります。

ところが、理屈ではそれがわかっているのに、できない。

やりたいのに、やれない。

過去の自分にはそれは「不可能」だったのです。

 

過去の暴落時はいつも、手元に現金がないがゆえに、投資できないのが常でした。

ただ資産が減っていくのを、不安な気持ちで呆然と眺めているだけでした。

 

そうした過去の経験から、今回は、備えをしていました。

 

まず、「資産の全額を市場投下しない」、という鉄則を守りました。

私は常に「暴落相場用の現金」を用意しています。

全体資産の1/3程度をこういう時の軍資金に、別に蓄えています。

 

今回、それをこの6月のタイミングで使うかどうかは別として、それが痛い経験から学んだ「知恵」のひとつでした。

 

下げ場の「底」で入ることができれば

 

明らかにわかっているのは、いままで一度も投資をしないで、現金で貯金していた人たちには、いまが最大のチャンスだということです。

投資を始めるなら、こうした暴落の後に来る、市場の「底」が、絶好の開始タイミングなのです。

 

いったん底をついた市場は必ず値上がりします。

つまり、投入した資金は、上がるだけなのです。

「市場の底がいつなのか?」さえ、わかっていれば、誰でも勝つゲームがここにあります。

 

でも、この考え方もギャンブルなんです。

 

・ロシアはウクライナへの侵略を東部だけであきらめるのか?

ウクライナはそれを受諾するのか?

・ロシアは、NATOの拡大を許容するのか?

それともNATOに加盟表明した国を同様に侵略するのか?

・原油、食物相場への影響はいつまで続くのか?

・日本のインフレは年内に収束するのか?

・中国は、グローバル経済がブロック化していく中で、一帯一路政策をどう展開していくのか?

・北朝鮮がこうした状況のなかで、自己存在価値を高めるために更に過激な行動をとらないか?

 

これらの質問に答えられるような人はどこにもいないと思います。

もっと言えば、これらの地政学的な影響下にある資本市場の予測なんて、誰にも予測できないですよね。

 

ですから、どの時期が「市場の底」なのかは、実際には予測不能なのです。

 

もちろん、後から、「あの時、あの瞬間が市場の底だったんですよ」、とチャートを眺めていうのは簡単です。

こういことを後付けでいう「専門家」が多いのですが(笑)。

 

その人は、絶対に現在進行形では、「いまが市場の底です。いま買いましょう!」なんて言ってくれません。

ちなみに、そういうことを言う人が一番の詐欺師です! 絶対に信じちゃダメです。

賢い人は、こういう人からは距離を取ります。

 

ちなみに、私が意見をお伺いしている専門家の意見も今後の市場予測では様々です。

すでに市場は底を打ったという人もいれば、米市場のリセッションの影響で更に下げ場が来るという人もいる。

下げ相場が続くという派も、もう上げ相場に入ったという派も両方います。

 

私はどちらの意見も聞いて、どちらの意見も信じることはありません。

だって、誰にも当たらないから。

 

そのうち、どちらかが当たり、どちらかが外れるだけです。

次回は逆の人が予想をあてるかもしれません。

だって、誰にも予測不能だから、です。

 

現在進行形で市場を読むということは、誰にとっても「予測不能」なのです。

 

だから「市場の底を瞬間で捉える」というのは、幻想です。

理論的は存在しても、原則それは不可能なのです。

 

でも、繰り返しますが「下げ場の底で入りさえすれば、投資では必ず勝てる」、これも真実なのです。

 

では、個人投資家はどうすればいいのか。

以下、そんな形で、私の経験からの知恵を少しだけご紹介します。

 

投資に必要なのは、勇気? それとも知恵?

 

まず、今の資産の目減りをどう考えればいいのかが、肝心ですよね。

 

どこかで判断して、損切すべきなのか?

将来は値を戻してくれると考えて、ひたすら保有するのか?

 

損のレベルによると思いますが、まず「損切のルール」があるかどうかが明暗を分けます。

経験上、商品への過信と市場による不安感で、損切を実行できないことが多いのです。

投資において、「損切」ほど難しいものはないと考えます。

誰しも損はしたくない。でも、保有を継続すれば「塩漬け資産」が増えるだけです。

どうすればいいのでしょう。

 

私は、購入した商品ごとに

①損切金額

②利益確定金額

を両方決めています。

 

でもその期間は設定してないです。利益も損失も、いつでもその金額に達成すれば自動的に「実行」です。

ここは、意思とは別に自動化して実行するのが最も手堅い方法だと思います。

 

こんな形で、投資に必要なのは、カッコイイ勇気よりも、手法としての「知恵」なのです。

 

 

市場はサイクル

投資をするにおいて、一番大事なのは、「市場はサイクルで上げ下げをしている」というを理解することです。

ただ、期間の取り方によって、その上下する「幅」は、明らかに変わります。

 

通常は、半年から1年くらいで上下している波のようなものだと、感覚で考えてください。

この波は「小幅」で、動いています。

もっと言えば、日々の値動きももっと小さい幅で動いています。デイトレーダーはその微小な幅で商いしています。

 

ところが、勝ち方の原則は、ただひとつなのです。

「安く買って、高く売る」、これだけです。

 

1年で一番安いタイミングで買って、一番高いタイミングで売ればいいのです。

差額が儲けです。

 

あなたは、サーファーで、波を待っています。

波の下が来たと思ったら、漕ぎ出して、一番上でリリースするのです。

儲けが出れば、ランディングは成功です。

何度か失敗すれば、そのうち、波の上下動が感覚としてなじんできます。

まぁ実践してみてください。

サーフィンと同じで、しばらくしたら波乗りできるようになります。

 

ところが、この通常の波にも、上げ下げのサイクルがあります。

 

5年単位で見ると、さらに大きな上下幅で上がったり、下がったりする景気の波があります。

インフレや貨幣価値などにも影響されて、大きな幅でゆっくりと上下動しています。

 

このサイクルでも、原則はただ一つ「安く買って、高く売る」のです。

ただ、このあたりから、できる勝負と、できない勝負が分かれてきます。

 

先ほど示したように、年間の波ですべての勝負をしていると、こういう大波に時に、投入すべき原資がないということが多々あります。

 

例えば、いま円が安いのに、このタイミング、購入するドルを保持している人ってどのくらいいますか?

いま、円を買えば、3か月前よりも20%近く多く購入できるのに、現実は、買うドルが手元にないんですよ。

現実は、そんなもんです。

だから「準備によって、できる勝負とできない勝負がある」ということです。

 

さて、今回のような戦争や疫病による下げ場は、5年単位でもそうそうお目にかかれない下げ場です。

まさに20年単位の「恐慌」です。

 

今回は特に、旧ソ連邦の地域的戦争という地政学的な危機に加えて、疫病のコロナの影響が重なっています。

 

実際には、それだけでないのです。大トレンドとして、ドイツの壁の崩壊から進んできた「グローバル経済の終焉」が裏に隠れています。今後始まる「ブロック経済への回帰」という「大潮目」が来ているのです。

 

だからこそ、この6月が下げの「底」ではない、まだまだ下がるという人が多いのです。

でも、長期のスパンの20年単位でみても、市場は必ずサイクルで回復しています。

歴史的に言えば、市場は、ニューヨーク大恐慌も、ブラックマンデーも乗り越えて、サイクルで回復しました。

 

だから、ピンチはチャンスなのです。

 

「資本主義社会の崩壊」をどうとらえるかによりますが(ないとは言わないですよ)、どん欲な資本主義市場は基本、いつかは値を戻すのです。

 

これが過去の実績です。

 

なぜなら、それは次に成長するマーケットを必ず発見するからです。

 

ヨーロッパで始まった資本主義は、新大陸アメリカで花開き。

次に日本やオセアニア、アジア諸国に広がりました。

そしてBRICSを巻き込み、その中でも巨大な虎である中国を目覚めさせました。

 

そして、重要なのは、いまでもアフリカを中心に新興国はいくらでも残っています。

歴史レベルで見れば、資本主義の成長余地はまだまだ広大です。

時間軸の概念をかなり拡げれば、最終的に市場は回復する、というのが、過去からの実績です。

 

ただし、自分の残された時間にそれが間に合うかどうかは、各々の寿命の問題になります。

私には、そんなに時間の余裕がなくなってきています。

なので、私は私の残り時間で、資本主義のサイクルを観察しています。

そのサイクルの「一番安いタイミングで買って、一番高いタイミングで売る」を、飽きることなく、繰り返していこうと考えています。だから、今回のウクライナ危機も、ピンチはチャンスと考えています。

 

今日の結論をいえば、

「市場の底を瞬間で捉える」というのは、幻想だけど

市場のトレンドを理解して、

通常の波の上下幅と

5年規模の景気の波の上下幅と

20年単位の暴落の上下幅を観察すれば、

「市場の底は確定できないが、市場の下げ止まりのトレンドは想定できる」

です。

 

下げ場を継続的に買い続ければ、どこかが「底」になる、というのが、現実解だと考えています。

 

「底」で変えなくても、「底を含んで、最低価格の周辺を連続的に買うことは可能」なのです。

 

 

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やはり、書き出したら、とても長くなってしまいました。

これを第1回として、残りを複数回に分けて、掲載したいと思います。

今後、今回の市場のサイクルを理解したうえで、では「何に投資すればいいのか?」という課題などを説明したいと思います。

 

アジェンダの予定です

・分散投資 期間と商品の分散

・国際分散投資

・ドルコスト平均法

・面倒くささの克服=自動積立

ご期待ください。