美記憶活動として毎年恒例でまとめている「マイ・ベスト3」
自分の生涯テーマとしている「美記憶」の年間記録として、毎年、書籍、TV、エンタメ、体験の各部門でその年の私的なベスト3を決めています。
アーリーリタイアから丸3年経ち、セカンドキャリアの流儀がだんだん出来上がってきた2024年。これからも健康寿命の限り、人生のゴールデンエイジを楽しもうと思います。
体験部門
体験部門1位「東京シニアビジネスグランプリ・ファイナリスト」
アーリーリタイア後のひとつの目標として、シニア起業を掲げていました。その象徴として東京都が主催する「東京シニアビジネスグランプリ」を考えていました。1年半の研鑽のうえで、ファイナリストに選出され、神田明神ホールで発表を行いました。同年代の起業仲間に励まされ、「グランアニバーサリー」事業をお披露目することができました。
体験部門2位「陶芸公募展受賞・東京都美術館展示」
無趣味の半生を後悔し、セカンドキャリアには趣味を持ちたいと考えて陶芸を始めて丸5年。今年は本格的に公募展に応募しました。
おかげさまで清興展で金賞をいただき、念願だった東京都美術館で展示をしていただきました。
まだまだ精進の日々ですが、まずは第1歩を刻めました。
体験部門3位 赤ちゃんおうちフォトコンテスト
グランアニバーサリー事業は、初動の今年は「ファーストペンギンに誰をなっていただくか?」という課題で悩み続けた1年でした。
9月に開始した「おうちフォト」がブレークスルーしてくれました。
12月にコンテストの受賞者を発表し、今後のこの受賞者の方々と商品開発を進めていこうと考えています。
休日体験部門
休日体験部門1位「美記憶侍、60代を行く」
60代はOnもOffも共通するテーマとして「美記憶家」を宣言しました。
その象徴で61歳の誕生日に美記憶侍というコスプレで過ごしました。より笑って、笑顔でハレの日を過ごそうという気概です。
休日体験部門2位「還暦夫婦の四季旅・横浜/沖縄/日光/遠州」
相方が還暦を越え、夫婦で四季旅をしようと話し、実行しています。
今年は円安の影響もあり、ハワイではなく、沖縄を満喫しようと贅沢なリゾート国内旅行を経験しました。
春は横浜・鎌倉で還暦祝い、夏は日光・伊東、秋は沖縄、冬は遠州・浜名湖と旅を満喫しました。
休日体験第3位「救急搬送・外出禁酒」
お恥ずかしい話ですが、人生ではじめて救急車で搬送されました。サウナ部というコミュニティで温泉・サウナの後に飲み会していたのですが、水分不足で2度も転倒してしまい、お店の人が救急車を呼んでくれました。入院とはならならずその晩に解放されましたが、体力・健康の限界を感じました。
以降、自宅以外では禁酒としています。
教養部門
教養部門1位「コテンラジオ世界史ビッグツリー」&「3か月でマスターする世界史」
ここ数年、コテンラジオを継続して聴き倒し、1周目が終わったので、2周目の企画として1世紀ごとにビッグツリーとして可視化するノートをつくろうとしています。そんなことを始めた時にEテレで「3か月でマスターする世界史」が始まり、これがあまりに素晴らしくて、一気に世界史教養が深まりました。
3か月でマスターする世界史 – NHK 「世界史をアジアからの視点でとらえ直し、古代から現代まで“歴史の大きなつながり”を12回で描きます」
西洋史観だけではなく、アジア史、南北アメリカ史などを並列して歴史を俯瞰する力は、来るべき「ゾーン化する社会」において、重要なスキルだと考えています。
教養部門2位「香道・組香」
教養の幅を広げようと今年は「香道」の「組香」に参加してみました。
「六国五味」という香木の分類や香木の香りを辛・甘・酸・鹹・苦に表現したり、和歌の世界とつなげて風流に聴香する機会を得ました。
「光る君へ」イヤーとしては、ベストマッチの経験でした。
読書・聴書部門
視力と集中力の限界が早まり、あれほど好きだった読書がだんだんつらくなってきました。
そこで今年からは、Audibleを活用して「読む」ではなく、「聴く」書籍を加えることにしました。
お試しとして夏に「成瀬は天下を取りに行く」を聴書をしてみると、放送部出身の自分には、朗読やラジオドラマに近いAudibleは向いていると思いました。視覚情報とは脳の違う部分で理解する形ですが、記憶に残る方法は同じようです。
ということで今年度から「書籍部門」ではなく、「読書・聴書部門」として、記録します。
読書部門1位「リーン顧客開発」シンディ・アルバレス
スタートアップ系の本は商売柄たくさん読みました。その中で、今年一番頼りにしたのが本書。
「売れないリスクを極小化する技術」として、ファーストペンギンを追いかける具体的な方法を学びました。
読書部門2位「経営中毒」徳谷智史
「社長はつらい、だから楽しい」、ひとり起業は特に相談相手が少ないので、孤独です。この本は経営初心者向けの悩み共有本です。
またスタートアップが大きく成長していく中で起こる様々な問題について、共感を持って紹介してくれています。
ポッドキャストで知った「経営中毒」ですが、通しで読むことでより深い理解を得ました。
経営中毒 社長はつらい、だから楽しい | 徳谷 智史 |本 | 通販 | Amazon
聴書部門1位「サピエンス全史」ユヴァル・ノアハラリ
人生の宿題で取っておいた「サピエンス全史」、結局、Audibleで聴書しました。かなりのボリュームなので、読むとしたら読み飛ばしも多かったと思うのですが、聴書は飛ばし読みが難しいので、全体を把握するためには正解だったと思います。この後、読書しながらノートにまとめると作者の見解に近づける気がします。
聴書部門2位「ハリー・ポッターシリーズ全7作」JK・ローリング
こちらもAudibleの無料版がなければ考えもしなかった読破体験。ここで特筆すべきは朗読担当の風間杜夫さんの芸の広さ。ハリーポッター全シリーズに登場する数百人の人物を声音ひとつで演じ分けているのです!朗読芸の奥深さを感じました。
「指輪物語」を代表に、英国にはこうした長大な物語をモノにする作家が多いのですが、JK・ローリングはまさに現代の継承者。伏線の張り方、回収の見事さは素晴らしい。映
今回、聴書で2章程度聴いたうえで、映画版を途中再生して、イメージ補完をしました。この方法で映画版が極端なダイジェストだったことが、よくわかりました。
映画部門
映画部門1位「DUNE Part Ⅱ」
映画『デューン 砂の惑星PART2』公式サイト。デジタル好評配信中!7.3 ブルーレイ&DVD/4K UHDリリース!
DUNEの第1作は、なかなかの作品という評価で、静かな砂漠を描き切った映像美はすごいとは思ったものの、ドゥニ・ヴィルヌーブの才能がもったいないと思ってました。
ところが第2作を観た後は評価は180度ひっくり返り、2作続けてみることで、SF映画史上に燦然と輝くシリーズになったと思いました。
今作の後半、アトレイデスがリ・イサーン・アルガイブの予言を受け入れて以降の展開は壮大です。予想外の展開に開いた口がふさがらなくなります。
第3作で完結だと思いますが、トリロジーの完結を期待しています。
映画部門2位「シビルウォー」
今秋、アメリカ大統領選の結果がわかる前の日に、この映画を鑑賞できた幸運に感謝しています。「分断された超大国・アメリカ」、その先の世界が新たな国内戦争だという世界線。
もしトラが、ほぼトラになり、いまやすぐトラという状況、この世界線に現実が近づいた今、「ゾーン化する世界」に対して、我々はひとりひとり覚悟して望まないといけません。
映画部門3位「ラストマイル」
日本映画の2024年は、ラストマイルで決まりです。「毎日、ネットで注文した商品が家に届く」、その意味を考えさせられます。
リアルの街に店がどんどんなくなり、ネットで買い物が当たり前になり、注文すれば明日届くという「便利さ」の陰にある現代の闇。
このTBSスタッフのレベルの高さは、映画でも十分に通用することが証明された2024年でした。
エンタメ部門
エンタメ部門1位「エリック・セラ/ビルボード東京」
毎月何かしらのエンタメ経験をしようと実践してきました。そのなかで、ビルボード東京は初で、それもなんと、大好きな映画「グランブルー」の音楽監督エリック・セラのライブです。俺が行かなきゃ、誰が行くの気分で乗り込みました。「レオン」、「アトランティス」などリック・ベッソン監督の映画音楽の数々、最小メンバーでしたが、あの作品世界を再現してくれて、ほんとにありがとう!
エンタメ部門2位「久保田利伸/NHKホール」
ライブテーマが「いつものやつお願いします、佐藤さん」で、まさにコロナが終わったと、実感するライブでした。20数年ぶりの久保田利伸ライブは、熱量はそのまま、でも演者も、観客もそれなりに歳を重ねていて、体力温存しながらの気遣いがうれしかった。
エンタメ部門3位「レ・ミゼラブル 帝国劇場ラスト公演」
帝国劇場が建て替えで一時閉館します。そのラスト公演に選ばれたのが、もちろん「レ・ミゼラブル」でした。幸運にも初日のチケットが取れ、駆け付けました。やはり生涯ベスト・ミュージカルで、その完成度に圧倒されました。後半のバルジャンの演技に涙したのは、年代的にも、役回り的にも後半生になったからなのでしょう。
TV部門
ドラマ部門1位「光る君へ」
個人としてnote.にまとめている「日本公武盛衰記」からみると、「光る君へ」は暴力の時代の狭間に出現した”平安”を描こうとした野心作だと見えます。
制作人の挑戦は、単に平安遷都からの平安時代を描くということではなく、「日本が平安であるためにはどうするべきなのか」を描くことだったのだと思います。939年の平将門の乱から1156年の保元の乱まで217年の間に、藤原氏の摂関政治が行われ、その時代、国内に戦争は起きなかった。特に藤原道長の時代を平安朝の最盛期と呼ぶ。ドラマは、この時代の「天皇の外戚を巡る暗闘からの脱出」を描きだしたのです。人を殺めず、御上をだまさず、正道で政治を行い、平和の政治を貫く、道長の姿を通して。そのことで、2025年に向け戦後80年になる「平和の時代」の構造理解と覚悟を国民に迫ったのです。
これは大河ドラマにおける「発見」であり、歴史好きとして価値の高い物語体験でした。
ドラマ部門2位「アンメット」
アンメット ある脳外科医の日記 | 関西テレビ放送 カンテレ
このシーズン、ドラマ主人公が一斉に「記憶喪失」になったんですが、笑。圧倒的な良作が「アンメット」でした。
役者陣の作品にかける一念が伝わってきて、回を追うごとにレベルが上がっていきました。まだこんなに熱く、ドラマ作りができるんだって、感動しました。
ドラマ部門3位「虎に翼」
こちらもNHKが「日本国憲法」の意味と価値を投げかけた野心作でした。日本国の古来からの常識に「はて?」と疑問を投げかけ、思考停止している我々に問題の本質を抉り出してきます。小難しい難役を伊藤沙莉が好演し、法学を共に学んだ女学友がそれを助けました。戦時・戦後を通じて、彼女たちの一筋縄でいかない女性の半生を描くことで、「日本国憲法」の価値が見えてくる見事な物語構造でした。
アニメ部門
アニメ部門1位「推しの子 第2シーズン」
推しの子は、昨年の90分第1話から圧倒的な力量でズンズン進んできたのですが、この第2シーズンはまさに「覇権」でした。
特にそこまでアイドルを目指すポジティブなルビーが、真相を知って「闇落ち」する場面は、本気でゾッとしました。そこから全話見直してしまいました。原作が終了しただけに、この後の展開をアニメでは、このレベルで継続してもらいたいです。
アニメ部門2位「ブルーロック vs U20」
ブルーロックも、第2シーズンで更にレベルアップしてきた快作です。
「日本サッカーをW杯で優勝させる」という目的は自分も同じで、エゴイスティックな「怪物(フェノミナ)」が必要という認識も同じです。でもそれをこんなに痛快な作品に仕立て上げるのは、本当に素晴らしい原作であり、それを凌駕するアニメスタッフの意気込みです。
Go!が出た「ネオ・ブルーロック」にも期待しています。
アニメ部門3位「チ。地球の運動について」
NHKでないとアニメ化が成功しなかったと思う、つらいつらい物語。主人公が次々にどんどん死んでいく。細い細い蜘蛛の糸のようにかすかにつながる「地動説」への希求。「残酷な中世」の本質が見事に提示されている。
特別賞「私立パラの丸高校」 主題歌賞「とりま」
映画・ゲーム・アニメをプロデュースしていた30代に、インターネットが出てきて、もう「ミリオンヒット」を狙う時代は終わったと思った。これからは「全員が放送局・映画会社」になる時代だと感じたのです。時間が経って、今年「私立パラの丸高校」を見ていると、その直感が間違っていなったことを実感します。このクオリティのアニメを個人がどんどん創れる時代のです。そして60歳のおじさんを感動させることができるのです。素晴らしいじゃないですか!
今年のドラマ・アニメを通じても、音楽的には私立パラの丸高校の「とりま」が素晴らしいと思いました。