FIRE世代が「年収を上げる転職」のためにすべきこと 前編 ゴキゲンLifiShift術

経済的自立のための収入UP活動

 

FIREの前半部はFinancial Independenceであり、

「他人に人生を左右させない自由、会社に依存しない経済的な自立」を意味します。

一概には「非雇用者を目指す活動」と言われています。

 

多くのFIRE指南書は、この目的のための活動として、貯蓄、投資という収入アップと、生活費の削減などの支出ダウンを説明しています。

 

しかし実際に、経済的な自立を早期化し、確実にFIRE成功させる最も単純な解決方法は、いきなり「非雇用者」になることではなく、雇用者として「なるべく収入を上げる」ことです。

 

リタイアする前の給与を、いかに効率的に上げるかが、最大の課題と言えます。

 

収入を上げるには ①現在の会社で昇給する ②副業・併業する ③転職をする の3つが考えられます。

今回は主に③転職の話です。特に、「FIRE世代のための転職」を考えてみようと思います。

 

転職をして、年収が上がれば、貯蓄や投資に回せる資金も増えます。

その分、信じられないくらい税金も高くなりますが、そこは覚悟して、事前に織り込んでください。

 

FIRE世代のための「年収を上げる転職」

 

「年収を上げる転職」、この部分が欠落しているFIRE指南が多いのが、とても不思議です。

たぶん、書いている作者に経験がないので、具体的にわからないというのが本音なのでしょう。

そして日本型雇用感覚では、40代~熟年世代の転職は「年収が下がる」イメージはあっても、「年収を上げる」活動にはつながらないと考えているのではないかと思います。

 

事実はもう少し複雑です。年齢ではなく、挑戦の方法なのです。

 

チャレンジ次第で、50代でも「年収を上げる転職」は可能です。

私は、パイオニアという純日本企業で30年働いてから、日本マイクロソフトに転職しました。

その経験をベースにお話しします。

 

「転職で年収を上げる」のための近道は、このように外資系企業への転職です。

コンサルティングファーム、金融・投資系企業に加えて、GAFAMなどのグローバルIT企業が、年収を上げる転職事例としてよく紹介されます。加えて、ヘッドハンティングなどで、執行役、役員、社長などに引き抜かれる場合です。

たいていの日本人勤労者は、これらの外資系への転職やヘッドハンティングは、スペックが高過ぎて、絶対に無理だと考えている人が多いと思います。

 

まず、このブログを読んでください。その後に、自分には本当に「無理」なのか考えても遅くないと思います。

 

実践編

52歳で、日本型企業から外資系IT会社に転職して、年収を2倍にした男がしたこと

 

自分はFIREのために、年率115%=5年で2倍で資産を増やす作戦を立てて、若いときから実行していました。

参考記事

アーリーリタイアを目指すなら 資産を「年115%」で増やす ゴキゲンLifeshift術 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

ところが実際には、最終コーナー(50~55歳)になった時に、「5年で2倍の目標」の計画実行はどうしても不可能でした。

いくら支出を削っても、無理。いくらリスクを取って投資しても、無理。

 

事実、50~55歳のわずか5年間で、5千万円を1億円するのは誰にとっても困難な目標なのです。

 

そして、この無理を投資で実行しようと、リスクを取るのは非常に危険です。

リスクを高めれば高めるほど、ロスも多く含むのも事実なのです。

ハイリスク・ハイリターンな投資は、FIRE検討者にとっては、巧妙に仕掛けられたワナです。

それまでうまくパフォーマンスを出していたはずの投資を、一気に「ギャンブル」にしてしまかねません。

 

そこで、私は、転職で年収を上げようと考えました。

 

104%のローリスク投資を変えることなく、基礎年収で貯蓄を増やすことにしたのです。

 

元勤めてた電機大手企業では役職定年があり、役員にならない限り昇給はありませんでした。

悩んだ末に、事業部長の地位を捨て、52歳で初めての転職を決意、思い切って外資系企業にチャレンジしました。

それが、予想以上に成功して、年収を2倍にして、念願が叶ってFIREにたどり着きました。

 

その実績を振り返りながらレポートします。

 

外資系のジョブ型雇用を知る

 

まず、人材採用の形態には、2つあることを理解してください。

 

・メンバーシップ型雇用 :先に人材を確保し、後から仕事を割り当てる雇用

・ジョブ型雇用:必要な仕事の職務に応じて、適切な人材を採用する雇用

 

日本企業のメンバーシップ型雇用は「人に仕事を」、外資系企業のジョブ型雇用は「仕事に人を」付けるイメージです。

 

このことは、明確に募集要項に表れます。

日本企業は、まず新卒入社が中心で、その場合、人材条件を提示しますが、

基本的に「○○年度 四年生大学卒」位しか示していなく、採用基準も外部からは不透明です。

内部で採用で重視するもの、以下のような漠然とした項目が並びます。

 

2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果 (keidanren.or.jp)

日本企業の中途採用は、職種における経験年数や適用基準が示されますが、新卒者を中心とする年功序列の枠組のなかに組み込まれるため、スキルよりもその企業カラーへの適応性や、人柄が重視されています。

人を集めてから時間をかけて、仕事を創り出す日本型経営の現れだと思います。

 

外資のジョブ型雇用には必ず「Job Description」がある

 

いっぽう外資系のジョブ型雇用の採用条件にはきめの細かい「ジョブ・デスクリプション」が存在しています。

 

ちなみに、日本マイクロソフトのジョブ・ディスクリプションのページを引用しておきます。

職種一覧 (microsoft.com)

 

ジョブ・デスクリプションは、地域、Job Profession 、Discipline 、Role 、Type 、 Level of Educationで区分され、検索できます。

 

Job Professionは、日本でいう職種が並びます。複雑になるのはDisciplineが、さらにその職種を違う角度から分類していることです。

その他にも様々な角度から職務分析されたワールドワイドの規定が存在し、募集する職種を詳細に規定しています。

 

ちなみに私が採用された職種が現在、募集中です。

Solution Area Specialists (Education) in Tokyo, Tokyo-to, Japan | Sales at Microsoft

 

引用

マイクロソフトは日本の教育市場に対して、総合的な教育ソリューションを提供しています。研究機関・大学・高等教育機関・さらには地方自治体に属する小学校・中学校・高校に対して、Microsoft 365 Education、Microsoft Azure を主体としたクラウドサービス化が進み、セキュリティ対策、ローコード開発での教職員の働き方改革、教育DXのニーズが高まっています。
本ロールは、主にM365 Educationを中心としたモダンワークソリューション、およびPower Platformでのローコード開発により、教育機関へのデジタルトランスフォーメーションを推進していただきます。
Microsoftソリューション、ローコード開発のご経験、かつ教育市場に熱意のある方からのご応募をお待ちしております。我々と一緒に、教育業界に変革を起こしましょう。

 

以降、職種に求められるスキルが「Responsibilities」として

Sales Execution 6項目

Scaling and Collaboration 2項目

Technical Expertise 3項目

Sales Excellence 5項目

 

職務経験などの「Qualifications」が以下のように規定されています。

Preferred Qualifications

  • 5+ years of technology-related sales or account management experience.
  • 3+ years of solution or services sales experience.

これが、ジョブ型雇用です

 

日本支社の2000人の労働者すべてにこのレベルの職務基準が設けられており、この内容によって給与も決定されます。

逆にいえば、年齢も性別も関係なく、職務基準を満たしているかどうかだけが基準なのです。

いわゆる同一労働、同一賃金という意味では、正確に平等です。

 

ちなみに、日本企業の中で、流行だからといってジョブ型雇用に移行しようとしている会社も多いようですが、人事制度のすべてを根底からDXしないと、中途半端には成功しないと確信しています。

大体、全職員をこれだけ細かく職務規定できるだけの人事部がどれだけいるのでしょうか。

人材の流動化にむかって、この人事制度は大きな課題になっていくと思います。

 

さて、この状況を裏から見て、40歳以上で転職を考えている人間からすれば、これは朗報です。

スキルさえ満たしていれば問題ないのです。ご自分のスキルに自信を持ってチャレンジしてください。

 

外資系? 英語できないから無理!・・・なのか?

 

次に、たぶん、転職検討者の勇気を砕くのが、外国語コミュニケーションの問題だと思います。

その点をレポートしておきます。

まず、外資系企業でも2つの役割があることを認識してください。

 

1.海外の本社・スタッフと日常的に連絡し合う役職

2.日本の営業先に海外の製品をセールスする役職

 

事実、外資系の仕事でも、外国語メインの役職は限られている。

募集要項の中では、外国語交渉がマストではない職種も多い。

 

この件、甘い話をするつもりがないので、事実だけお伝えします。

外国語ができないと本社交渉をすることが自由にできないので、たぶん管理職系の採用は難しいと思います。

でも、いまテーマにしているのは「年収を上げる転職」です。

管理職でなくても、年収を上げることは可能です。

 

出世する話と年収は別の話! 外資系企業ではそれを強く認識してください。

 

年収を上げるなら、まずは、稼いでいる企業やコミュニティに、仲間入りしないとダメ。

簡単に年収は上がりませんよ。オワコンの企業にしがみついて、雇用延長されても、そこの会社自体の稼ぎが、もう限界ではないですか。

 

 

転職において英語スキルはマストではない。ただし・・・

 

私は、転職当時TOEIC750レベルでした。

実務英語はできないと正直に宣言して、そのうえで採用をお願いしました。

入社後、システムや人事通知などすべてが英語ベースでびっくりしましたが、さすがMSで翻訳ツールもサポートしてくれるので、慣れるには慣れました。

周りの英語スピーカーの献身的なフォローのおかげで(その節は本当にありがとうございました!)、

国際会議での発言もサポートしてくれたりしたので、なんとか誤魔化しながら業務をこなしていました。

 

ただ、語学力が不足していて周りに迷惑をかけていること、

より重要なタスクをやるためには英語が必要だということで、

英語の勉強を入社以降、退職した今でも続けています。

 

*この件は、こちらでレポートしていますので、ご参考までに

英語を学び続ける理由 LIFESHIFT処世術 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

ここで得た経験は

「英語が苦手なのは今でも同じ。でも、異言語のメンバーへのコミュニケーションは嫌いではない」ことでした。

外資系企業には、ネイティブな英語話者もいますが、母国語が英語ではない人たちがたくさんいます。

国際会議で完全な英語を話そうと黙って発現しない日本人の前で、片言の英語で楽し気にコミュニケーションする非英語圏の人々が多いことが、勇気を与えてくれます。そこでは欧米語以外の多様な英語が使われており、この多様な社会では、より分かり易い英語が求められることを痛感しました。

 

まず、転職において英語スキルはマストではありません。

外資系企業に働くなら、今できなくても語学を継続して勉強すればいい。

年齢は、関係ないです。そして、そのほうがゴキゲンな仕事ができます。

 

外資系が欲しいスペシャリストになる

 

英語が問題ないなら、外資系企業転職において、求められているのはなんでしょうか?

語学よりも大事なことがあります。それは「その道の達人」であることです。

 

特にGAFAMなどの若い企業では、経験者のスキル、人脈が徹底的に不足しています。

先ほど管理職系ヒューマンマネージャーの採用は難しいが、「年収を上げる転職」は可能というのは、この「スペシャリスト採用」を意味します。

 

ジョブ型雇用では、職種がワールドワイドで募集されていますが、どの国でもこのスペシャリストを揃えるのは一苦労しているのです。世界基準に合わせなければならないので、穴を埋めてくれるピースを探すのは各支社でも頭も痛いところなのです。

 

特に特殊業界の特殊スキルはハマれば高く採用してもらえます。後は求める企業があるかどうかなのです。

 

50歳の転職は無謀か? 転職に適齢期はあるか

 

というわけで、スペシャリスト採用においては、年齢はスキルやスペシャリストの素養よりも問題になりません。

ある程度の年齢がないとつけないスペシャリスト枠もあります。

52歳で転職した経験から言えば、「まだ間に合いました!(セーフ!!)」というのが忌憚のない実感です。

 

できれば45歳程度で転職すればよかったと思いますが、自分の場合、その段階ではMS側が求める人材像に経験上届いていなかったと考えています。

 

さて、長くなってきたので、今回は前後半2部の前半部として、公開します。

 

今回をひとこと、まとめてみます。

年収を上げる転職には勇気が大事!

いくつになっていようと、思い切って飛び込むのみ!

 

次回、後編

FIRE世代が「年収を上げる転職」のためにすべきこと 後編 ゴキゲンLifiShift術 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

 


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