開業届
9月1日付で税務署に「開業届」を出しました。
これで、めでたく「個人事業主」です。
個人事業主の届けは想像していたより、あっさりしたものでした。
提出フォームに記入して、提出、以上!です(笑)。
興味のある人は国税局のこちらを読んでください。なんと手数料は不要です。
No.2090 新たに事業を始めたときの届出など|国税庁 (nta.go.jp)
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁 (nta.go.jp)
マイクロソフト社に退職宣言したのが、昨年の9月でしたので、ちょうど1年ということになります。
この期間をひとつの問題を真摯に考え続けました。
「自分の一生、雇用された形で終わるのか、それとも起業して、経営者に挑戦するか?」
働き方には3種類あります。
1.会社の従業員としての働き方
2.個人事業主としての働き方
3.会社経営者としての働き方
1以外を経験しないで、人生を謳歌したことになるのか? 人の命令で使われる人生で終えていいのか?
会社人なら、一度や二度は考えたはずです。自分の使命感で事業を興し、自分の決断で経営のかじ取りをする。
会社人時代のゴールに、経営幹部になることを目指していた人も多いと思います。
それと創業社長の差は、私には大きかった。
誰かが創った会社の経営陣になるのではなく、自分でゼロから創った会社の経営を行う。
いままで、会社の行くべきベクトルを見渡し、会社の財政状況、競合状況を判断して、その会社の体力の範囲で新規事業を提案してきたのですが、正直、それと自分のやりたいことを整合させて、Win-Winの第3案を創り出すのは、至難の業でした。
自分のデザインで、自分らしく社会貢献したいという思いは、30年間ずっと心の奥底で密かにたいまつに火をくべていたのです。
私がアーリーリタイアしたのは、この2や3の可能性に挑戦するには、気力・体力・行動力が残っているときでないと遅いからです。
ですから、このためにギリギリの58歳で退職しました。
そして、起業するなら、その動機とどの分野に挑戦するかも大きな課題でした。
58歳の人生で、ジャパン・サブカルチャーの普及や、電子黒板や生徒1人1台PCによる教育ICTの実現など、十分に社会貢献の高い業績は残したつもりです。
たぶん、これ以上に大きい社会貢献の達成は、個人では無理でしょう。
なぜなら、これは大会社の看板があってできたことですから。
それを踏まえて、残された人生の時間で、裸一貫で、新たな課題に挑戦するかどうかを真剣に考え抜きました。
「人生の選択肢は最大化する」
この方針を遵守するため、自分の来歴、スキル、可能性をすべて考えて、自分のやりたいことをリストアップして、そのなかで、個人でできることを考えました。
また、自分で会社を起業する以外の選択肢も真剣に検討しました。
再度、会社人として雇用される選択肢や、大学で学び直す選択肢、ボランティアやNPO活動を始める選択肢なども考慮しました。
この期間に、この歳でも、ヘッドハントのお声がけをいただいたり、一緒にスタートアップに参加してくれないかと、お声がけいただいたり、貴重な選択肢を増やしていただきました。なんともありがたい話です。
熟慮の結果、やはり「自分の創業」にチャレンジすることにしました。
この過程で、介護するつもりだった母が亡くなったことも大きく影響しました。結局、その体験は、「人生に後悔がないよう」にと、今回の決断を後押ししてくれました。
ハローワーク卒業
そして、無事に人生初めての「職業安定所・ハローワーク」も卒業しました。
これについては、過去の記事でも触れてきたように、あまりいい記憶はなく、「年齢差別」を強く意識する体験をしました。
6か月通った感想も、当初抱いたものと変わらず「ハローワークは最低賃金労働で、労働させるための巨大な国家装置」だという思いです。
「Hello Work! いまのハローワークで58歳の「希望」は見つかるか? – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)」
Hello Work!2 ハローワークの支援訓練で58歳はバージョンアップできるか? – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)
つい最近も、仙川書斎のメンターカフェで知り合った同年代の女性も同じことを嘆いていました。
「自分の人生を全否定されて、自分が無価値だと勝手に評価される」気分を味わったと。
たぶん、55歳以上は、この組織に頼ってはいけないのです。
自分ゴトで言うなら、今年になってもLinked-in経由で、好条件の転職を嘱望されましたし、先日は顧問バンク経由で新たなアドバイザーを求める若い企業に出会いました。
ハローワーク以外からなら、ちゃんと転職のスカウティングされました。需要はあるのです。ハローワーク以外ならば。
だからこそ、ある程度の年齢になった人間は、ハローワークに代わるほかの手段を開発する必要があるのでしょうし、そこできらりと光る存在になるような「演出」も学ばなければならないのだと思いました。
この件は、また別の機会にまとめていきます。
個人事業主経由 合同会社行
補助金申請の関係から、今回はまず、9月に個人事業主で開業して、11月目途に合同会社を設立することで進行しています。
いわゆる「法人成り」という方法です。
スタートアップを狙っているので、それなりのチームを組閣してます。
まずは開発チームを抑え、加えて司法書士、税理士事務所を決めました。
これだけでもブログに書き出したら、結構な物量の記事になるのですが詳細はいまは伏せておきます。
しかし、この形態にするまでも、すべてがゼロからのスタートで、個人事業主、法人成り、合同会社、会社定款などをいちいち調べて、比較して、ヒアリングしてとなかなかの物量のタスクでした。
この次は、プラットポート内の審査で、修了証の発行をいただき、その後、東京都創業助成への申請という運びになります。
採用率17%の狭き門ですが、腕試しのつもりで真剣に応募しようと考えています。
調布市特定創業支援事業 e-projectへの参加
事業計画の段階では、現在、同時に調布市の創業支援プロジェクトにも参加してます。
狙いは、登録免許税軽減ですが、これも壁打ちのひとつと思ってます。
また、地元の信用金庫とのつながりも期待しています。
e-プロジェクト(特定創業支援等事業)を受けた創業者のメリット
(1)登記にかかる登録免許税を軽減(資本金の0.7%→0.35%)最低税額は15万円のところ7.5万円に減額
(2)創業2か月前から対象となる創業関連保証の特例について、事業開始6カ月前から利用対象
(3)創業前又は、創業後税務申告を2期終えていない事業者は、日本政策金融公庫の新創業融資制度を、
創業資金総額の1/10以上の自己資金要件を満たしたものとみなされます
(4)日本政策金融公庫の新規開業支援資金の貸付利率の引き下げ対象として同資金を利用することができます
起業のすべてを体験する
今回は、個人事業主での開業、法人成り、合同会社設立、補助金申請と、創業・起業に関わるすべての段階を踏むことになります。
その道程は、まさに、会社員時代は、知らなかったことばかりです。
いまや、世の中のすべての起業家の人々が尊敬の対象です。「まじリスペクト」
どんな小規模のお店であろうが、そこの経営がうまくいかなかろうが、廃業しようが、VCに騙されて会社乗っ取りをされようが、すべての経営者の方々に敬意を表します。
本当にみなさん、こんな辛い道を通って来たんですね。
それだけで、「めちゃ感動」です。
自分もいま、すべてが初体験、すべてがストレスの源で、帯状疱疹まで患っております(笑)。
これも、創業の試練、起業の感動の一部だと思っています。
通ってる心理カウンセラーは、同じく一昨年開業されたドクターで、これを話したら以下のように忠告してくれました。
「あなたは、いま貴重な体験をしています。
それぞれに、はじめてで、プレッシャーやストレスも多いのですが、
それ自体を、良い機会として、楽しんでください」
「そして、それはそんなもんなんだと、受け流しながら、
心に負荷をかけずに、やり過ごしていきましょう。その先に感動が待ってますよ」
先生、心がけます!
これから起業を志す同士の皆さん、道は険しく、仲間も少ないので心細いとは思います。
でも、同じ道をたどって、皆が経営者になっているのです。
志のタイマツを高く掲げて、一歩一歩踏みしめていきましょう。
11月に合同会社を立ち上げて、現在、WEBを絶賛開発中なのですが、そのほかにも税理士法人、弁護士、弁理士との協議、note.などのSNS対策をしていたり、すべてが新しい体験ばかりで戸惑うことばかりです。
そのなかで、今回は最大の関門になった「銀行」との交渉の件をレポートします。
融資無しでも「法人口座」の開設は難易度が高かった
さて、今月の最大の難問が、「法人口座」の開設でした。
この件、融資が絡んでいればかなりレベルが高いだろうと思ってましたが、自分はアーリーリタイアで貯めた自己資金で開業するので、準備万端で問題ないとたかをくくっていました。
ところが、ふたを開けると、これが意外に大問題で、1か月近く方々を走りまわされました。
周りのシニア起業、アーリーリタイア後の開業、スタートアップ起業を検討されている方々が、このブログを読んでくれているので、あらましを残しておきます。今後の参考になることを祈ります。
法人口座はマストなのか?
事業を営むにあたって、法人口座は欠かせないです。ちなみに、今後 Freee会計や弥生会計などで会計処理をするにあたっても、法人口座がないと、手続きが進みません。
法人口座を持つメリット
- 事業の経費の管理が簡単にできる。会計ソフトと連携できる。
- 取引先からの信頼度が上がる
- 事業に関わる融資などの審査に通りやすくなる
- 法人名義のクレジットカードを作れる
法人口座をどこで開くべきか?
どこで法人口座を開くべきか? もっと現実的に考えるならば「資本力のない中小企業はどこでなら法人口座を開けるのか?」という点で、ネットなどをあちこち調べると、大別して3つの選択肢があります。
1.大手銀行
2.地元の信用金庫
3.ネット銀行
とはいえ、3つの選択肢のなかで大手銀行は「通常、中小企業に対してはケアをしない」として有名で、法人口座の開設難易度は高いと言われます。後に融資相談を考える場合、地元の信用金庫というのが、通常のオススメコースと言われました。
地元の信用金庫の感触は、良かったのに・・・
実は、この件、かなり前から地元の信用金庫で会社の口座をつくる可能性を考え、アーリーリタイア用の資金の一部を個人口座に預け、長期にわたる信用を付けておこうと実施していました。
この部分、正直言うと、利子もつくわけではない信用金庫に預けるのは、こうした背景がなければ実行していなかったのです。
満を持して地元の信用金庫の窓口で「個人口座で長年お世話になっている者ですが、この度、独立して合同会社をつくったので、法人口座の開設をお願いしたい」と言いました。
会社概要を説明して、代表の経歴を証明すると、窓口の反応はすこぶるよく、幸先いいなと、感じてました。
その後、提出書類を揃え、事業所訪問という段取りになりました。
提出書類
・事業計画書
・損益計算書
・登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
・定款
・代表者の本人確認書類
・法人設立届出書
・主たる事務所の賃貸契約書
・取引先との事業を証明する資料(請求書等)
こちらはネットビジネスなので、「主たる事務所は自宅」ということになります。
そこで、自宅を片付け、郵便局に先回りして住居登録し、郵便受けに会社の表札を出し、スモールスタートアップだとしても、それなりにカッコをつけて向かい入れました。
自宅訪問では、事業スキームや創業の意図、成長戦略などをヒアリングされたので、丁寧にご説明しました。
「陶器に関わる仕事」なんで、自作のコーヒーカップでお出しして、コーヒーまで、かなりいい豆でお出ししたりして、盛り上がりました。
その時は、若い外訪担当の副支店長から、DishApp合同会社の将来性に期待を表明いただき、かなりいい感触でした。
地元の信用金庫は、実質「地元の商店・工場」だけの銀行だった
ところが、1週間後に窓口に呼ばれて告げられた判定は「支店の総合判断で、法人口座の開設はお断りさせていただきます」と拒絶されました。
これ以上の理由は、どうやっても聞きだすことができず。けんもほろろという印象で、訪問時のウェルカムの印象からは程遠い冷たい待遇です。どうも、支店長レベルで反対された模様でした。
そう考えれば、訪問時にも違和感のある点は複数ありました。
・自宅で創業することに対する疑惑
・取引金額が、3年で数千万単位になる急成長企業の経験は支店にない
・将来的に移転する可能性がないかどうかを細かく確認
類推するに、東京都下の武蔵野エリアの地元信金では、スタートアップ企業の支援経験はなく、ほとんどが地元の小さな商店・工場などのリアルビジネスを相手にした「手堅い(??)」取引で、成長もなければ冒険もないという安定志向なのだと思います。
スタートアップ、ネットビジネス、マネタイズ、マッチングビジネスなどの単語など聞いたことがないのです。「怪しい」と色眼鏡で見られたのでしょう。
そうなると自分の支店長時代に面倒な問題を抱え込む必要はなく、冒険するくらいなら断ってしまおうという「小物」の判断なのでしょう。
こういう巡りあわせでは粘っても無駄なので、ここで交渉を打ち切りました。
もちろん、すぐに個人口座の取引も引き上げるつもりです。こんな了見の銀行には、1円も預ける価値ないですから。
「〇〇信用金庫」さん、本当にそれでいいんですかね?
正直、信用金庫などが時代の波に取り残されるのは、自分たちの行動の必然のような気がします。
裏にある金融庁の口座開設引き締め通達
融資の話がなければ口座開設は楽勝と考えていたので、かなり意外なつまづきでした。
そこでこの件、真剣に調べ始めました。
どうも、裏にあるのは、金融庁から「口座開設引き締め通達」が各金融機関に出ているようなのです。
ニュースで流れてくる、「振込詐欺などの違法架空口座」の問題が、根源のようで、こうした不良取引を元から断とうして、「新規の法人口座についてはより強い審査」を求める旨の通達が出ているようです。
待て!スタートアップ支援も国の方針でしょう 経産省さん!
でも、違法架空口座が問題があるとしても、岸田首相が方針演説で表明したように「スタートアップ企業の支援」も、大事な国策でしょう。
マイクロソフト時代関わりのあった官僚の方が、中小企業支援やスタートアップ支援に移動していたりして、経産省も、スタートアップ支援を宣言しているはずです。
彼らは、この金融庁の新規口座引き締め方針が、スタートアップを苦しめている事実を自覚しているのでしょうか?
本質はスタートアップ企業の「健全性」をいかに確認し、いかに担保するか
まぁ、こういう場合、勝手に「口座開設引き締めをやめてほしい!」とか、「自分の口座だけ何とかしろ!」みたいな子供の論理を遠くから叫んでみても実行力を持たないのは、大人の智慧で何度も経験しています。そこで自分なりの方策提案を考えました。
ことの本質はスタートアップ企業の「健全性」をいかに確認し、いかに担保するかなのです。
私はこれに最適な団体を知ってます。
この1年、創業のためにさんざんお世話になった「東京創業ステーション」さんです。
ここは、東京都中小企業振興公社が主体になって、ワンストップで開業支援するために作られた場所です。
そして、かなり厳しい指導の下で、開業のコンサルをして、「修了書」を発行して、その証明で「東京都の創業支援助成金」の条件を満たすことになっています。他にも、各自治体にもこうした「開業研修と証明発行」の組織があります。
これらの団体の終了判定に、各金融機関がしている「健全性」の確認事項を入れてしまえばいいのです。
なぜなら、これらの施設にはすでに金融機関が連携しているからです。この連携を発展させて、優先的に法人口座と融資相談にさらに強力に結び付ければいいだけなのです。
この部分がプッツりと切れているから、今回のような修了書を出しても、法人口座が認められないというお粗末な結果になるのです。
提案:自治体の「創業研修修了証明」と口座開設連動を金融庁ー経産省ー中小企業庁が打ち出すべき
これらの支援団体の「修了証明」があれば、銀行は口座開設を支援するという一括施策を、政府ー金融庁ー経産省ー中小企業庁が打ち出すべきだと思います。
実際に、このプランを東京都側に提示したのですが、国の判断に自治体側から意見するのはかなり難しいらしく、色よい相談にはなりませんでした。
この国は、本気でスタートアップを応援する気があるのか!
実体験から、こうして悩むことが大事だと思います。そして、問題を忘れずに、きちんと発信していくことも大事だと考えて、この記事を書いています。
スタートアップにとって、起業は初めての経験ばかりで、経験者も少ないためほかに頼る人も少なく、わずかな人材で、汲汲としながら頑張っています。
将来性がない、実効性が証明できないと、否定的に言ってくる審査者たちの冷たい言葉に、その都度心を痛めています。
「スタートアップ支援」という美辞麗句を並べるのではなく、こういう具体的なステップの一つ一つを解決していきましょう。
今回は「融資」の話をしてないのです。これが「融資」を借り受ける段階になったら、すべき具体的な支援はもっと、もっとたくさんあるはずです。
国の未来をつくるのは、スタートアップを実施してくれる起業家です。具体的にサポートを積み上げてください。
結局、ネット銀行で口座ができました
自分の場合、この後、税理士法人のつてをたどって大手銀行に開設をお願いするも、ネット開設エリアでなかったために知り合いの担当外になったり、依頼したネット銀行から数回の資料補足を求められるなど艱難辛苦して、やっととあるネット銀行で法人口座を開設できました。
口座を開設できてしまうと、こうした苦労した難問も、忘れがちになって、後進のために言うべき論点も忘れてしまうので、メモの代わりにまとめてみました。
今後も「#シニア起業」でこうした起業にまつわるレポートを続けます。よろしくお願いいたします。
参考サイト
12銀行を徹底調査!おすすめの法人口座はどこ?手数料・口座開設のしやすさ等を比較 – Wise、 旧TransferWise
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