シニア起業については、前回4月の記事から4か月が経ちました。今回は、その後のご報告です。
実は、この間、毎週のように東京創業ステーションに通い、夜は週3本くらいセミナーを聴講していました。
自分のプランのフュージビリティチェックも進んでおり、自分なりの起業がかなり形になりつつあります。
前回の記事
シニア起業の事業プラン スタートアップ・ハブで 起業コンシェルジュ相談2 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)
前々回の記事
スタートアップハブで起業コンシェルジェ相談 「ぐるぐるワークショップ」の桑名さんに会う – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)
東京創業ステーション ステップ1 スタートアップ・ハブ
東京創業ステーションは、2段階ロケットになっていまして、創業を検討する段階は、「スタートアップ・ハブ」と言われるスタッフにお世話になります。
「ゴキゲン×ヤリガイのある75歳までの持続可能な第2の人生」を目指して、様々な可能性をすべてあげて、それぞれのテーマや方法を模索している春先は、足しげく、スタートアップ・ハブに通い、毎日のようにオンラインセミナーを聴講して勉強をつづけました。
スタートアップ・ハブ東京の場合、丸の内と立川に2つの拠点があります。
私は広々として居心地がいので、立川のスタートアップ・ハブをよく利用しています。
Startup Hub Tokyo TAMA | TOKYO創業ステーション (startup-station.jp)
ここで、起業アイディアの壁打ちをしていただき、可能性を検討したり、困ったらすぐに相談するという段階を、3か月ほど送りました。
特に、自分のアイディアの場合、WEB構築にかなり高度技術が必要で、その実現性を相談していました。
ありがたいことに、このスタハ多摩でご紹介いただいたチームが開発担当をしてくれることになり、一気に実現に踏み出すことができました。
東京創業ステーション ステップ2 プラニングポート
開発の目途が経ったので、起業の第1弾ロケットを切り離し、本格推進の段階に入りました。
それが、「プラニングポート」での事業計画書活動です。
Planning Port 丸の内 | TOKYO創業ステーション (startup-station.jp)
こちらは、東京都中小企業振興公社が運営する団体で、主に「創業助成金」の認可に向けての具体的なサポートが受けられます。
それ以外にも、専門相談として、司法書士、知財アドバイザー、社労士、弁理士、弁護士など、起業と会社継続の問題を専門家に相談できます。
また、金銭的にも、融資相談として、東京信用保証協会、日本政策銀行や地方銀行などに対する相談窓口が設けられています。
プラニングポートのWEBでは、各相談者ごとに、プランコンサルタントがついて、以下のようなサポートをしてくれると記載しています。
1.創業準備中の方へのサポート
創業にあたっての自分自身の棚卸やビジネスアイディアの具体化という入り口段階から支援します。
準備段階のゴールとして、実現可能性が高く、継続して事業を続けられるビジネスプランを書類に落とし込むまでを支援します。
2.開業手続中の方へのサポート
開業手続を進めるにあたってのコーディネータの役割を果たします。
手続き関係の事項は、各士業の独占業務となっている事項も多いため、何を誰に支援してもらうべきかのアドバイスを中心に支援します。
経営者としての意思決定が必要な事項については、プランコンサルタントが相談に応じます。
とはいえ、実際はこのプラニングポートの活動は「事業計画書の策定」に集約されます。
創業時の支援 = 事業計画書の策定と承認
なぜ、プラニングポートの段階の活動が「事業計画書」になるかというと、これがそのまま東京都創業支援金の助成条件に紐づいているからです。
まず、東京都創業支援金についてですが、創業時に「開業資金を最大300万円の2/3助成」してくれるものです。
対象や条件は以下のような内容です
助成対象者 | 都内での創業を具体的に計画している個人又は創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方 |
助成対象期間 | 交付決定日から6か月以上最長2年 |
助成対象経費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費 産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費 |
助成限度額 | 300万円(下限100万円) |
助成率 | 3分の2以内 |
この対象者の「一定の要件を満たす方」が、ポイントです。
一定の要件を満たす方法には実際は、いくつかのルートがあります。
創業助成事業 – 申請要件 | TOKYO創業ステーション (startup-station.jp)
そのルートの中でも、筆頭が、このプラニングポートでの事業計画書認定なのです。
「公益財団法人東京都中小企業振興公社(以下「公社」という。)が実施する、TOKYO創業ステーション「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了し、過去3か年の期間内にその証明を受けた方」
以下にプラニングポートにおける東京都創業支援金の申請の流れ図を貼ります。
この要件を満たすために、概ね3か月程度の時間が必要となります。
サービス紹介 – 創業助成事業 | TOKYO創業ステーション (startup-station.jp)
正直、自分の場合、シニアで、アーリーリタイアしている環境でもあり、それほど、開業資金への助成を必要としていないですが、資金繰りから考えれば、いただけるものはいただくほうがいいです。
加えて、重要な点は、同じ起業をする観点で、自分の事業がこうした助成対象に磨きをかけてくる皆さんのアイデアと比べてどのくらいの実現性を持っているのか、専門家、経験者の視点から率直に意見をいただきたいと考えています。
このプラニングポートでの事業計画書認定こそが、シニア起業における「診断書」になりうると考えています。
今後、銀行との交渉や、ベンチャーキャピタルとの相談があるかもしれず、そうした場合のベースをここでしっかりつくっておきたいと思っています。
自分の格言ですが、「不安定な土台の上に、高層建築を建ててはいけない」と肝に銘じています。
事業計画書を読むのは誰か? 創業融資の現実
ここまでが建前の話で、ここから先が「パーソナルサービス」です。
採用率15%と言われる東京都創業支援金の助成判断ですが、特に将来展望が見えにくい「スタートアップ」には厳しいと言われます。
どちらかというと、飲食店などのスモールスタートの開業向きで、金額的にも、もしスタートアップが本格化した場合には、後払いの300万円では金額的に釣り合わないという評判もあります。
特に、スタートアップに不利な理由は、審査員(特に一次審査)が、東京都一般職員で、起業経験もなく、銀行での融資経験があるわけでもない「素人」が担当していることにあると言われます。
売上計画などが肌感覚でわかりやすく、事業展開にも限度がある飲食店の開業は、理解しやすい。
反対に、社会にないからこそイノベーションを起こそうとするスタートアップの社会起業家たちのプランは、稀有壮大で、つかみどころがなく、実現性に乏しいという印象を与えかねないのです。
銀行融資も同じだと思いますが、これが日本の融資の現実だと思います。
ベンチャーキャピタルの場合、「起業プランの船団化」によって実現性の問題を回避しているのでしょう。20案の起業プランをひとつのパッケージにして投資して、そのうちのいくつかが利益を出しEXITにこぎつけ、そのうち1つでも大当たりの上場をしてくれれば、のこりのゾンビ企業は貸し倒れしても帳消しにできるという考え方です。
この方式は、自分にとっては、洋画買付のパッケージ理論と同じです。シュワルツェネッガーの大作を購入するためにC級作品がごまんとついているパッケージばかりを見てきました。
事業計画書は自分のために描き、応募の度にカスタマイズする
事業計画書を作成する段になって、会社員時代のような「窮屈感」を感じ始めました。
その正体をじっくり分析すると、どうも審査に合わせ、応募時期に合わせて、プランの大元を加工しだしてしまっていることに起因していました。
「ゴキゲン×ヤリガイのある持続可能な社会貢献」を目標に始めたシニア起業の本筋が大きく曲がってしまっていたのです。
これはいけない!と気が付いて、まず、軍資金を見直して、自己調達すべく動きました。
まずは、それで「人のカネをあてにしなくても事業を起こす覚悟」を定めました。
そのうえで、この「事業計画を人生最大に楽しんで、ゴキゲンにやろう」と考え直しました。
せっかくの人生最大のチャレンジです。
これを楽しまないなんてもったいない。
シニア起業の すべての過程で、すべての経験を楽しむ!
これがいまの大方針です。
ということで、現在、私は、まず自分の会社を成立させるためにPlanAの事業計画書を、「社長になるための修行」として作成しています。毎週、プラニングポートの担当先生に校正をいただいて、プランに磨きをかけています。
そのうえで、必要な資金を準備し、さらに会社登記の準備に入っています。
その過程すべてが、初体験でワクワクドキドキしています。
今週は、司法書士を決めて、登記相談しに行きます。
そのうえで、東京都創業支援金や、IT導入補助金、ものづくり支援事業などの各種助成については、その都度、Plan Aをカスタマイズして、応募することにしました。
自分の起業プランの評価を外部から得られる機会です。この過程も楽しみたいと前向きに考えています。
以降の進捗も、またレポートします!
“シニア起業も本番「事業計画書」に着手 東京創業ステーションで 起業相談3” への1件のコメント
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