第4の習慣「Win-Winを考える」  名著「7 つの 習慣 フランクリン コヴィー」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 6

このブログではフランクリン・R・コヴィー博士の名著「7つの習慣」を、自分なりに読み解く企画を進めています。

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名著「7 つの 習慣 スティーブン コヴィー」でゴキゲン×ヤリガイのある人生を手に入れる 総集編 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

 

 

7つの習慣 前回までのまとめ

第1部 私的成功 : まず、自立をするために

第1回

「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 1 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第2回

第1の習慣「主体的である」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 2 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第3回

第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 3 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第4回

第3の習慣「最優先事項を優先する1」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 4 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第5回

第3の習慣「デリゲーション:最優先事項を優先する2」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 5 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

今回から「第2部 公的成功」に入ります

第1部の私的成功では、最終的に自分自身の「自立」を目指していました。

まずは、自分がひとりで律することから始めないと、人との関係を構築することもできないからです。

第3の習慣までを学んだことで「自分を律することができた」という前提で、今回からは、自立した個人と、自立した個人が、相互に協力しあう「公的な成功」のための実践方法を解説していきます。

 

自立から相互依存へ

公的成功のベースになるもの、「信頼口座」

 

第2部で最重要なコンセプトとして「信頼口座」における「信頼残高」が紹介されます。

あなたが、自立した存在として、家族や仲間、社会と相互的な関係を築いていくために、

少しずつ「信頼」を積み重ねていくとが、最重要だとする教えです。

この少しずつ積み重ねられた「信頼」の上に、あなたの実社会での「成功」があるのです。

「信頼の口座」に対する「積立」と「引出」

 では、どうしたら、この「信頼口座」に「信頼」を預け入れることが出きるのでしょう。

コビィー博士は、とてもシンプルな「積立の行為」を紹介します。

 

積立の行為」

・相手を理解する

・小さなことに気遣う

・約束を守る

・期待を明確にする

・誠実さを示す

・引出してしまったときには、心から謝る

とても道徳的な行動なので、これだけを見ていると当たり前に感じてしまいますが、逆方向からこの教えを見てみると、具体的な「信頼」の積立方がよくわかります。

 

「引出の行為」

・相手を理解しない

・思いやりなく、礼儀を欠く

・約束を破る

・期待を明確に伝えない

・誠実に接しない

・謝らない、誠意のある謝罪をしない

自分のことを理解してくれない人、思いやりも、礼儀も欠いている人、常に約束を守らない人、期待をちゃんと口にすることがなく、それ故になにをすればいいのかわかりにくい人、不誠実な人、なにかあったときにちゃんと謝らない人・・・。

こういう人たちに、われわれが「信頼」を寄せることはないですよね。

よく言う「自分がしてほしくないことを、他人には決してしない」という道徳の話なのです。

 

さぁ、それが理解出来たら、具体的に公的成功のための習慣の旅に出かけましょう。

 

 

第4の習慣 Wi-WinでなければNo Deal

この章は「Win-Winを考える」とタイトルされていますが、それよりも「Wi-WinでなければNo Deal」というコンセプトを、この章の「合言葉」として、ぜひ覚えてもらいたいです。

特に後半の「No Deal(笑顔で取引をやめる)」をいかに実践できるかが、公的成功のポイントになると思うからです。

 

この「No Deal」は本当に難しく、この「No Deal(笑顔で取引をやめる)」の経験がない方や、実践が苦手な人が大半だと思います。

私もそうでした。そのために、とても残念なことに、仲間を無理に負け試合に巻き込んだり、誰も得をしない泥試合を多く経験してきました。

「No Deal(笑顔で取引しない)」技法を知っていれば、いまでも、もっと多くの友人といい関係を継続できたでしょうし、敵対していた人々とも、ある程度の融和が図られたのではないかと考えています。

 

この「Wi-WinでなければNo Deal」の教えを知ってからは、それを必死に学んで、スキルを身につけました。いまでは、「No Deal(笑顔で取引をやめる)」のパワーを実感しています。

すべての勝負に勝つ必要はないのです。勝つべき試合を選び、それ以外は参戦しないというテクニックと勇気を学びましょう。

 

WinとLoseの関係には「6つのパターン」が存在する

まず、考えてもらいたいのは、WinとLoseの関係には「6つのパターン」が存在するということです。

自分の陣営のことだけを見ていたら、「勝つ」か「負ける」かしかないように思えます。

しかし、相手陣営との関係に思いを巡らせてください。

相手の陣営にも「勝つ」か「負ける」のシチュエーションが存在するのです。

 

ということで、素直に自陣と敵陣の場合法は、4つ存在します。

最初に思い浮かぶのは、自陣の状況から見える2つです。

 

1.WinーLose :自分は勝ち、相手は負ける場合

ゼロサムゲーム的な短絡的な勝利。自分のルールを押し付けて勝利をもぎ取る方法です。

偏差値で仲間よりも1点でも多くと考える方法でもあります。

 

2.LoseーWin :相手が勝ち、自分は負ける場合

意外に「いい人」であろうとする場合に、こうしたLoseーWinの方法が前面に出るものです。

「強いリーダーに勝ちを譲る」ことで目の前の争いを回避しようとするため、

WinーLoseタイプの強欲の人の言いなりになることが多いのです;

 

大体において、なんらかの勝負をしようとするときに事前に想定しているのは、この2つのパターンです。

勝つか、負けるか、50:50だと考えてしまうのです。

 

ところが、この裏側には別の可能性が存在します。

 

3.Lose-Lose :自分も負け、相手も負ける場合

 

レッドオーシャンにおける価格競争、原価を割り込むシェア争い、など・・・。

誰も勝たないゲームに熱中している人々は枚挙にいとまがないものです。

 

「気が強い頑固者同士の我の張り合い」とコヴィー博士は表現しています。これは敵を失敗に陥れれば、自分が損をしても良いと考えてしまう「敵対の思考」、「戦争の思考」なのです。

 

これと同じ観点で、自分の勝ちにしか眼中にない人も多いものです。

 

4.Win :ひたすら自分のWinを求める場合

 

自分が勝ちさえすれば、周りの陣営や人々がどうなっていようとお構いなしという勝ち方です。

自分の目標が達成できればどんな勝ち方をしようがどうでもよいとして、自分の欲しいモノを強奪します。

コンプライアンスが叫ばれる前の会社や組織では、こういう強引な勝ち方を称賛する背景がありました。

えげつなく徹底的に相手をつぶして勝ち切るというメンタリティです。

 

 

上記の表を見ると、WinとLoseの2つの関係のなかにも多様な場合があるのに気が付きます。

しかし、上記の4つでは、「一回勝負の関係性」が現れているだけなのです。

一回しか関わらない間柄なら、相手がどんな状態になっても構わないという「やり逃げ」の関係性です。

 

ところが、多くの人間関係において、相手との間柄は長期に渡り、同じ相手と何度もやり取りを重ねるものです。

こてんぱんに負かした相手が復讐心に燃え、Lose-Loseの戦いと挑んでくることもしばしばしあります。

 

第4の習慣が想定しているのは、こうした長期に渡る人間関係での「ふるまい」のことだと思います。

長期に渡る人間関係を優先して考えると、先ほどまでの4つパターン以外に、大事な2つのパターンが見えてきます。

まず、「4.Win :ひたすら自分のWinを求める場合」を否定する形で、お互いの勝ちを喜ぶ長期的な幸福な関係が見えてきます。

 

5.Win-Win :自分も、相手も同時に勝つ場合

 

コヴィー博士曰く「Win-Winは、すべての人間関係において、必ずしもお互いの利益になる結果を見つけようとする考え方と姿勢である。何かを決めるときも、問題を解決するときもお互いの利益になり、お互いの満足できる結果を目指すことである。(中略) 人生を競争の場ではなく、協力の場ととらえる」。

 

そうです、知恵を巡らせば、「お互いに勝つ」というソリューションは存在するのです。

そのためには「第3の案」の創造を信じるという強い信念が必要になります。相手との信頼関係の上に、知恵と勇気を発揮すれば、お互いのどちらもが負けになることなく、互いを「勝ち」の状態に導けるのです。

単純な勝ち、負けの案よりも、この互いに勝つという「第3の案」は、難易度が高いでしょう。

しかし、これを成し遂げれば、敵だと思っていた相手が、「仲間」に変わるのです。

モノの見方が180度変わる、なんて素晴らしい関係性ではないですか!

 

 

Win-Winの「第3の案」がどうしても見つからないときに、あなたに託したい選択肢が「No Deal(笑顔で取引をやめる)」です。

 

6.No Deal :笑顔で取引しない場合

 

何度も言いますが、このNo Deal(笑顔で取引しない)技法を人生で身に着けるかどうかで、あなたの人生は変わります。

なぜなら、これを知らない限り、Win-Winの第3の案を互いに相談していた「相手」に対して取るべき方法は、WinーLose、LoseーWin、LoseーLose、または単独のWinしかないのです。

それまで同じテーブルに居た人間を、それ以降、「敵」として扱うというのは、「裏切り」です。

初めから「敵」として扱っていた場合よりも、多くの敵意を生む可能性があります。

逆に、このNo Deal(笑顔で取引しない)技法さえ、知って、実践できれば、長期的な人間関係を円満に運営できることになります。

 

コヴィー博士曰く「双方にメリットのある解決策が見つからなければ、お互いの意見の違いを認めて、合意しないことに合意する、ことである。お互いに相手に何の期待も持たせず、何の契約も交わさない。(中略)No Dealの選択肢を一つ持っていれば余裕を持つことができる。(中略)心を開いて話せるし、感情の裏に潜む根本的な問題をわかろうとする余裕も生まれる」

 

「思いやりと勇気」 豊かさマインド

上の図を見て、考えてもらいたいのですが、「Win-Win or No Deal」の考え方に必要なのは、思いやりと勇気です。

Win-Winの信念に基づき、相手を思いやり、第3の案を知恵を振り絞って考え、勇気をもって提案する。

それが実現できないならば、潔く笑顔で取引を取りやめる。

No Dealも勇気と思いやりの行動なのです。

 

公的成功の鍵は、「思いやりと勇気」です。こうした「Win-Win or No Deal」の行動が、長期渡る信頼残高の積立に貢献します。そして、信頼残高が多い場合ほど、より大きな協働活動ができるのです。

 

 

Win-Win or No Dealの実践方法

 

Win-Winの構造は理解できた。では、どうすれば「Win-Win or No Deal」の行動が実践できるのでしょうか。

1.Win-Winな人格

Win-Winなパラダイムの土台になるのは、あなたの「人格」です。

私的成功で学んだように、常に「誠実」であること。

本当の意味で自分にとってWinとは何かを常に問い、自分の内面の価値観と一致する人生のWinに忠実に主体的に行動するのです。

そして、思いやりと勇気の豊かさマインドを発揮した「成熟」したバランスが求められます。

「自己主張をするときに常に相手の考え方や感情に配慮をする」のです。でもWin-Winを提案するとき、そこでは「優しさ」と同時に「厳しさ」が必要になります。第3の案を実現するための高位のバランスこそ、必要な人格なのです。

 

 2.Win-Winな人間関係

人格の土台ができると、相手との人間関係を築いていくことができます。

ここで重要なのは、お互いの「信頼口座」に預け入れている「信頼残高」です。

信頼残高が多ければ、「お互いに相手を信頼し、尊重をしているから、相手がどんな人間か探る必要もないし、相手の性格や立場にとらわれず、すぐに目の前の問題そのものに意識を向けることができる」。

こうした関係は、大きなシナジーを生み出すことができます。これが公的成功の第5、第6の習慣につながる土台になります。

 

3.Win-Winな協定

 

お互いのWin-Winな人格と人間関係によって安定した間柄においては、対等な立場の実行協定が結べます。

真の意味でのパートナーシップ協定です。この実行協定があれば、お互いは互いをデリゲーションしあうことができます。そのためには、以下の5つの要素をあらかじめ明確にしておきます。これは第3の習慣のデリゲーションで学んだことの応用です。

 

・望む結果  : 手段ではなく、なにを「達成」するか

・ガイドライン:達成をするために守るべきルール、方針

・使えるリソース:そのために使える人員、資金、技術、サポート体制

・報告義務・アカウンタビリティ:結果を評価する基準、その評価時期

・評価の結果 : 達成度合い、貢献度合い、結果の明確化

 

あくまで、結果を得ることが重要であり、手段はガイドラインの範囲ならば互いの判断に任せるべきです。

従来のWin-Loseなパラダイムでは、このWin-Winのマネジメントは実行できません。

デリゲーションが最大化するべく協定をつくり、自分で手段を判断し、各自が仕事の評価をして、報告する義務を負います。

基準をお互いにわかりやすく決めておくことで、正しい基準をセットして、正しい自己評価に導くのです。

正しいマネージャーの仕事は、このWin-Winの第3の案を実行するための「協定」をつくることなのです。

 

4.Win-Winなシステム

Win-Winな掛け声だけで、システム自体がWin-Lose時代のままということがあります。

Win-Winな協定を本当に実行するためには、それを支えるシステムが必要になります。

 

「多くの場合、問題があるのは、人ではなく、システムのほうである。いくら優秀な人材でも、悪いシステムに入れられたら悪い結果しか出てこない」

 

5.Win-Winなプロセス

 

コヴィー博士が勧めるWin-Winのための4つのステップを紹介して、この章を終えます。

これが「第3の案」を実践するための具体的な方法です。

 

1.問題を相手の視点に立って眺めてみる。

  相手以上に課題を理解しようとし、言葉にしてみる。

2.対処すべき本当の問題や関心事を見極める

3.どんな結果であれば双方が完全に受け入れられるのかを明確にする

4.その結果に到達するための方法として新しい選択肢=「第3の案」を見つける

 

これらは、あくまで原則中心の私的成功の上に築かれるという点を再度強調しておきます。

 

自分の人生の各々の局面と 各々の相手に対して Win-Winを考え、提案する のです。


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