第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」 名著「フランクリン コヴィー 7 つの 習慣」でゴキゲン×ヤリガイのある人生を手に入れる7

7つの習慣

このブログではフランクリン・R・コヴィー博士の名著「7つの習慣」を、自分なりに読み解く企画を進めています。

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名著「7 つの 習慣 スティーブン コヴィー」でゴキゲン×ヤリガイのある人生を手に入れる 総集編 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

 

ここまで読み解いてきた第2部の公的成功では、自立した個人と、自立した個人が、相互に協力しあう「公的な成功」を第4~第6の習慣を獲得することで目指していました。

第4の習慣 Win-Winを考える

第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される

第6の習慣 シナジーを創り出す

実は「公的な成功」の秘訣はシンプルで、この第4の習慣から第6の習慣は、同じ目的の活動を視点を変えて言っているに過ぎません。

 

完訳版の「新たなインサイト」で、博士の息子であるショーン・コヴィーは、質問にこう答えます。

 

Q 第4の習慣から第6の習慣までは重複しているように思えます。どこが違うのですか?

 

A 第4の習慣、第5の習慣、第6の習慣は、もちろん違う習慣ですが、かみ合って機能します。

 当社は長年に渡り、これらの三つの習慣を「根、道筋、果実」という覚えやすい言葉で教えてきました。

 

つまり、第4の習慣「Win-Winを考える」は、公的成功の人間関係を築くための土台(根っこ)であり、今回紹介する第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」は、Win-Winに至るまでの道筋として示され、この二つの習慣の実践の上で得られる果実が、第6の習慣「シナジーを創り出す」になるという説明です。

シンプルに言えば、「公的な成功とはWin-Winによるシナジーを創ること」に集約できるのです。

 

しかし他者との協働によってシナジーを生み出すというスキルは、言うは易く、行うは難し。

そこで、今回は、Win-Winに至る道筋をじっくり考えてみましょう。

 

第5の習慣には、図や表がありません。

 

これまでの習慣の説明では、コヴィー博士は、必ずわかりやすい図や表で覚えるべき習慣をまとめてくれていたのですが、この第5の習慣には、それがありません。

つまり、「7つの習慣」を深く熟読せよというパートなのですが、ここでは、心理的な側面に寄り添って少しづつ図解してみようと思います。

 

ふつうは「自分の意見を理解されてから、相手を理解する、つもり…」

第5の習慣を考えるには、まず逆の場合を考えてみることから始めましょう。

ひとは、だいたい自己中心的に生きているので、人と会話する場合、自分都合で考えています。

つまり「自分の意見を理解されてから、相手の言い分を理解する」というスタンスで、会話を始めるものなのです。

 

その結果、得られる相手の行動は、「無視!」か、適当な相槌をうつようなぞんざいな回答、または、言い争いです。

あなたは「自分の意見を理解されてから、相手の言い分を理解する」つもりなのですが、相手からは冷たい対応しか得られないという事態が起こります。

 

「自分の意見から始める」ことの問題点とはなにか?

では、「自分の意見を”理解されて”から始める」ことの問題点とはなになのでしょうか?

 

コヴィー博士は「(その方法は)相手の症状を聞いて、処方する前に勝手に診断している」ことだと指摘しています。

会っただけでパッと状況を早合点して、その場で自分勝手に意見を言ってしまっては、実際は、相手が抱えている「問題の本質」に気付くことはない、というのです。

そして、そんな無責任で自分勝手なことを言うあなたに対して、相手が抱く印象は「そんな適当なひとは、信用できない」という、いたってシンプルな感情です。

そうなれば、その相手のなかのあなたに対する信用残高は大きく引き出されどんな言葉も通じなくなります。

 

この第5の習慣は、単に「ひとときの会話」に関して言っているようで、実際には相手との「関係を長期的にどう育むか」という難問を含んでいるのです。

 

あなたを信用できなければ、あなたの「診断」も「処方」も信用できない

あなたが、どんなに良い意見を相手に示したところで、前提になる相手との関係が良好でなければ、なにも起こりません。相手は信頼していないあなたに、問題の本質を開示することはありません。だとすれば、あなたはもちろん正しい診断を下すこともできません。ですから、あなたが相手に示した”あなたなりに良い”解答も、相手に信用してもらうことはないのです。

 

まさに、症状を聞いて処方する前に自分勝手に診断している医師のようなものです。

病に悩む人が、適当に言いたいことを言うヤブ医者かもしれないあなたの「診断を信用できなければ、処方も信用できない」と考えるのは、自然な感情ではないでしょうか。

 

では、なぜ、あなたの言葉が届かないのか?

 

では、なぜあなたは信用されないのか。それは、あなたが事前に「勝手な答え」を用意しているからなのです。こうなると会話を始める前の段階で、あなたは大きな間違いを犯していることになるのです。

 

コビィー博士は、会話における、会話をするときに、ひとが犯しがちな「4つの失敗パターン」を指摘します。

 

4つの「自叙伝」的反応

 

・勝手に評価する : 自分の意見のみで、同意するか、反対するか

・勝手に探る   : 自分の興味の視点だけから質問する

・勝手に助言する : 自分の経験から助言する

・勝手に解釈する : 自分の過去の経験を基に相手の動機や行動を説明する

 

わたしたちは、こうした「反応の脚本」にすっかり染まっているから、意識せずに、この4つの脚本を使ってしまう。ところが、これらの脚本は、相手のことなどお構いなしに、あなたの中で完璧に出来上がってしまっているものなので、相手には微塵も響きません。この脚本を使えば使うほど、相手の信頼口座にある、あなたの預金は減っていくのです。

あなたの言葉が届かないのは、相手への信頼残高がなくなっているから

 

なんども言いますが、公的成功は、相手の信頼口座にある、あなたへの信頼残高によっています。

「反応の脚本」で失ってしまった信頼は、再度、積立直す必要があります。

第4の習慣で説明しましたが、信頼残高を積み立てる、シンプルな「積立の行為」を再度紹介します。

 

・相手を理解する

・小さなことに気遣う

・約束を守る

・期待を明確にする

・誠実さを示す

・引出してしまったときには、心から謝る

 

第4の習慣「Win-Winを考える」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 6 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

この「積立の行為」のなかで、劇的な効果を出してくれるのが、「相手を理解する」会話術なのです

 

それが「傾聴」です。

 

この「傾聴」というスキルも、いまではコーチングの基礎スキルみたいに言われていますが、7つの習慣から始まったトレンドだったと思います。この第5の習慣では、「傾聴には、4つのレベルがある」と紹介されます。

 

傾聴 「共感レベルの4段階」

 

1.相手の言葉をそのまま繰り返す

評価はしない、ただオウム返すだけです。

 

2.相手の言葉を、自分の言葉に置き換える

理性と論理(右脳)を使う方法

 

3.相手の気持ちを言葉にする

言葉より相手の感情を慮る(左脳)

 

 

4.(右脳+左脳)を使い、自分の言葉で相手の立場を言葉にし、相手の感情を慮る

 

これらの4つのレベルの傾聴のスキルを使って、相手を理解するように努めると、相手と自分との間に、「共感の輪」が広がり、相手に対する「影響の輪」が広がる。

これが、1 on 1 コミュニケーションやメンタリングというものにも、応用されている手法です。

 

 

 

「まず理解に徹し、そして理解される」

 

まとめです。第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」は、共感と傾聴のスキルです。それは、Win-Winに至るまでの道筋を指しています。

 

第1段階 「理解してから」とは、「課題の共有」のこと

共感レベルの4段階を使って、相手の状況を知り、相手に寄り添い、相手の感情を慮るのです。

それによって、相手が抱えている「問題の本質」を理解することができます。

 

第2段階 「理解される」とは、相互課題の共有のこと

相手が抱えている「問題の本質」を理解した後に、自分の立場、状況をその問題の本質に重ねます。

こうして、相手の課題と自分の課題が相互に共有されます。

 

そして、「Win-Winを考える」 それが「第3の案」です

 

これについては、次回、第6の習慣でご紹介します。

 

 

前回までのまとめ

第1部 私的成功 : まず、自立をするために

第1回

「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 1 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第2回

第1の習慣「主体的である」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 2 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第3回

第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 3 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第4回

第3の習慣「最優先事項を優先する1」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 4 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第5回

第3の習慣「デリゲーション:最優先事項を優先する2」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 5 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

第2部 公的成功  :相互依存のパラダイム

第6回

第4の習慣「Win-Winを考える」 名著「7つの習慣」で「ゴキゲン×ヤリガイ」のある人生を手に入れる 6 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)


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