シニアの可能性としての「ボランティア」 FIREのリアルライフ

アーリーリタイア後、ボランティア活動に興味がありました

 

以前、シニアのセカンドライフとして興味があったボランティアやNPOやNGOなどを取材し、結果、自分の心情に馴染む形態が、ソーシャルビジネス(SB)という社会貢献のスタイルだったことを、過去記事で報告しています。

シニアにとってNPOってどうなの? 東京しごとセンターに行ってみる – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

その後、自分なりのソーシャルビジネス(社会起業)を目指して「うつわと料理で笑顔の食卓をつくる」をミッションとするDishApp合同会社を起業しました。

シニア起業 – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)

 

今回は、こうして起業をした身で再度、自社のミッションの延長上にある「うつわの作り手としてのボランティア」を考えて、自分なりに行動したことをレポートします。

 

はじめてのボランティア活動

きっかけは、5年ほど通っている陶芸教室で、市の高齢者ケアセンターの陶芸教室の講師を打診されたことでした。陶芸は趣味で始めたので、まだ腕前も自信がなく、陶芸講師も初めてなので、少し迷いました。

しかし、一昨年末に急逝した母が、通っていた高齢者ケアセンターでの「クリスマス会」などを楽しみにしていたことを思い直しました。こうした高齢者施設は、母の最期の期間を確実に豊かにしてくれました。その恩返しができるなら、自分なりにやってみようということで、お引き受けすることにしました。

 

市町村の「社会福祉協議会」を知ってますか?

自分が住んでいる市町村でボランティア活動を探すためには、その自治体のボランティアセンターや社会福祉協議会のホームページをみるとボランティアコーディネーターが自分に合ったボランティア活動を紹介してくれます。

今回のボランティアも、この社会福祉協議会のお仕事です。

この施設は、「市独自の通所型サービスとして、利用者が要介護状態になることを予防するための運動機能向上プログラムや、利用者間交流の機会を提供」する目的で運営されています。

ということで、今回のお仕事の対象は、要介護になる手前の「要支援レベル」のご高齢者が対象になります。

 

高齢者への陶芸指導ボランティア

さて、「要支援レベル」のご高齢者というのは、どのような状態なのでしょう。

わたしの母は、3年前に肘が使えなくなり「要介護1」の認定を受け、その後、腰が悪化して「要介護3」になりました。そうなる前は、自分独力で炊事洗濯を行い、好きなモノを食べていました。

近所の老人会に参加して、カラオケや習字などの文化活動を嗜んでいたので、多分、ご自身で通うことができる位の元気な社交性の高いご老人をイメージしていました。

実際にお会いしてみると、状況は人様々だということがよくわかります。

今回は、94歳から80歳までの女性、3人のクラスを受け持つことになりました。とても明るいメンバーで、陶芸が初めてという方から、もうこの陶芸教室に何年も通っておられるベテランまで、陶芸歴もそれぞれです。持病もそれぞれなので、それに合わせてプログラムをカスタマイズする必要があります。

 

力の弱い方々が陶芸に取り組むための工夫

陶芸の場合、特に粘土を練ったり、型をおこしたりするために、ある程度の力が必要になります。

お話をお聞きすると、片方の腕に力が入らないとか、指が震えて字がうまく書けないなど、人によって制限があることがわかりました。

 

うちの陶芸教室は、高齢者陶芸教室の歴史が長いため、師匠やスタッフはこうしたケースをたくさん経験しています。今回のケアセンターでのカリキュラム作りについて懇切丁寧にご指導をいただきました。

粘土の取り分け分量を小さくし、段積みの回数を増やすこと・・・等。

他にも、マニュアルは文字を読むのが面倒なのでつくる必要がない・・・等。

 

6回の回数制限をどう活かすか!

このお仕事の一番難しいポイントは、活動回数が全6回に限られているという点です。それも春に3回、秋に3回と日程が分かれています。

陶芸の場合、初日の粘土の成型(Day1)から始まって削り、素焼き(Day2)、施釉ー本焼き(Day3)の大きく3日間の工程が存在します。これを楽しく生徒さんの授業に組み立てることが大事になります。それも、身体的に考慮しなければならない方々の状態を踏まえて。

 

師匠やスタッフと相談を重ねて、春の3回授業で①一輪挿し ②豆皿の 2つの作品を作ることにしました。この2つの作品の工程をズラシて組み合わせ、授業デザインしてみました。

 

 

 

障碍者への陶芸指導

もうひとつ、師匠から誘われて、障害のある小学1年生から高校3年生の子どもを対象にした放課後等デイサービスでの陶芸教室のボランティアをお手伝いしました。

こちらは、年1回の陶芸授業とのことで、1日のなかで2つの作品の成型と着色をしてもらいました。

私は高校1年生のお子さんとペアとなり、サポートをさせていただきました。

教育関係の仕事が長かったので、ある程度、特別支援の実態や、インクルーシブ教育の流れ、放課後等デイサービスなどについては知識はあったのですが、実際、丸一日おつきあいしたのは初めてで、実際の現場の大変さを痛感しました。

それでも、ペアになった高校生との交流は楽しく、有意義な一日を過ごしました。

ボランティア活動を通じて考えたこと

2つのボランティア活動を通して感じたことは、まずコミュニケーションの重要さです。

高齢者の方々は、耳の問題を抱えている方も多く、「ゆっくり、大きな声で、ハッキリ」とお伝えすることが大事です。

逆に、障碍者のお子さんたちには不安にさせないように、「小さめの声で、落ち着いて」話ことが大事でした。

共通しているのは、相手のお話をしっかり受け止めてから、落ち着いて明確に意思を伝えることでした。

 

シニア世代のボランティア活動は、過去の経験や知識を生かして、様々な人々と交流をすることがメリットと言われますが、まずは過去のキャリアに寄りかかることなく、ゼロベースで人と向き合うことが大事だと痛感しました。

 

今後も、起業のミッションを考えて、自分なりにボランティア活動を続けていきたいと思っています。

 

 

参考記事

ボランティア活動をする意義とは?メリットやデメリットも解説 – 3rd ROOM (spacee.jp)

シニア世代のボランティア活動

シニアのボランティア事情を解説|ボランティアの探し方と活動内容・注意点 | そなサポ.com (sonasapo.com)

 

 


“シニアの可能性としての「ボランティア」 FIREのリアルライフ” への1件のコメント

コメントを残す