ドイツ、スペインを破って、「死の組」で首位通過
日本代表がやってくれました!
そして、この1枚。
これは、日韓大会の鈴木選手のつま先ゴールと同様に、サッカーファンの間で永遠に語り継がれる「伝説の1枚」になるでしょう。
「三苫選手の1mm」
日本代表の日本らしさを象徴するシーンです。
世界中のほかの国の選手があきらめる場面でも、あきらめない。
そして、このボールをゴール前に上げきるテクニック。
これこそ、サムライ魂の象徴です。
なんといっても、それをVAR最新テクノロジーが証明するなんて! いかにも日本らしい1枚です。
1か月前は、誰もワールドカップのことなんて、口にしていなかったけど、いまやスペイン撃破の話をしない人がいないというお祭り騒ぎ。すべての報道番組がこのシーンを取り上げて、全キャスターが日本代表のレプリカを着ておりますよ。ワッハッハッ! いかにも日本らしい。
でも、それで、いいんです! それがサッカーです。
ワールドカップは、サッカーを知らない人が、サッカーを好きになる大チャンスなのです。
世界中の「お祭り」なんです。こういう熱狂は、サッカーファンとして大歓迎です。
その理由を前回の記事で指摘しています。
「国民スポーツ」から陥落の危機
引用)今回のカタールW杯予選では、アウェイ試合をTV放送しないという事態が起こった。
放映権料の高騰という理由だが、それは「終わりの始まり」。
これで、確実に「国民スポーツ」の座からは滑り落ちる。
知ってる人だけがそのスポーツの話をするというマイナースポーツへ逆戻り。
たぶん、もうあの国民をひとつにするような感動体験は戻ってこないんだろうな・・・
サッカー日本代表を応援し続ける アーリーリタイアしたらスポーツ観戦を満喫する – ゴキゲンLifeShift (gokigenlifeshift.com)
わずか半年前に感じた、この「マイナースポーツへ逆戻り」という危機感を忘れません。
なので、今回の日本代表の快挙で、少しでもサッカーへの関心が戻ってくれることを真摯に祈っています。
さて、この快挙の感動を私は年甲斐もなく、Facebookでぶちまけたので、一部を掲載します。
なにを信じてるかって、ワールドカップ優勝だよ。
そして、いつかは行くぜ!決勝へ。
「信じた総力の差」なんですよ。
その「紙一重」を乗り切る団結をしよう。
ブラボーに 信じようぜ!
なにを信じるかって、いつかは日本がワールドカップで優勝することをさ。
ちなみにここでは、こんな宣言をしています。
日本の優勝を本気で考える
私は、今後、日本が出場する国際大会では、日本以外は応援しないし、日本の優勝を本気で考える。
サッカーを応援し始めてから25年(当時)、日本はここまで成長したのだ。
当初は永遠に出れないものとあきらめていたワールドカップだ。
それがドーハの悲劇を経て、いまや5大会、20年の連続出場を誇る名門になった。
なにより、日本には、ワールドカップ主催国としての責務がある。
世界普及、フットボールエリート養成大会としてのW杯の意味
試しにヨーロッパをのぞく、ワールドカップ主催国を並べてみる。
ウルグアイ、ブラジル、メキシコ、アメリカ、韓国、日本、南アフリカとなる。
このリストは、いまや本大会のベスト16のメンバーとして、当然期待される国々の名前である。これは意図的に仕組まれたサッカー普及のための世界戦略であり、これらの国々は、フットボール普及を目指すべくして、目標遂行のために冷徹に養成されたフットボールエリートなのである。
この記述に基づいて、この記事では、カタールW杯の1次リーグを冷静に分析してみようと思います。
世界戦略としての中東開催
今回のカタール大会は、南アフリカ大会に続く、FIFAの世界普及計画の一部であり、文化の違う中東での開催をいかにソフト・ランデインングさせるかという難題に挑んだものでした。
中東開催を実現するための特徴が顕著にあります。
灼熱のアメリカ大会の反省から、11月開催の決意
史上空前規模の投資 砂漠を冷やせ!クーラー対応の巨大スタジアム
UEFAの反対から生まれた妥協のカレンダー日程
シーズン中のトップ選手の招集
「中3日」前代未聞の短縮スケジュール
23人→26人選抜、5人交代の容認、試合中3回の交代機会
中東での開催をするために「調整」されたこられの前提条件が試合に諸々の「綾」をつけていきます。
加えて、4年という時間による、W杯らしい「進化」があります。
VARの進化 AI判定による半自動オフサイド判定
ボールに内蔵された判定システム
これらのテクノロジーの進化が、先に上げた「三苫選手の1.88mm」を生みました。
さらに今大会でも、いつもように審判制度にも進化があります。
W杯はサッカーの審判の進化を促す大会でもあるのです。
女性審判団、女性主審の誕生
試合時間の厳守 延びるロスタイム
参考記事
FIFAワールドカップ カタール大会の表情① ~中東初開催での新たな試み~|JFA|公益財団法人日本サッカー協会
さて、こうしたカタール大会らしい特徴は、今回の1次リーグになにをもたらしたのでしょうか。
森保監督が利用したカタール大会の特徴
ドイツ、スペインを連破し、欧米各誌が、大会最高のインテリジェンスと騒ぎ始めている日本代表・森保監督。森保監督と日本代表スタッフは、かなり綿密にこのカタール大会の特徴を分析し、勝ち進むための準備をしてきたと思われます。
この件は、まだメディアでは騒がれていないですが、彼らが試合の前提として考えたこと、そしてそれを利用した作戦を分析しましょう。
灼熱の地での体力の消耗戦になる。
勝負は、いかに前半の段階で敵の体力を奪うかになる。
交代枠の拡大、交代機会の拡大を最大限利用する。
通常の後半30分過ぎだけでない「交代時間オプション」を持つ
中3日ならターンオーバーは必至。
Bチームの編成が勝ち抜きに鍵になる。
欧州リーグ所属選手の怪我の折り込み
招集判断・大会中の回復をいかに現実化するか
試合を止めない。
オフサイド判定のディレイを織り込んでゴールさせるまでプレーを続ける
これらの分析のもとに、森保プランは出来上がっていると思います。
それが、前半の試合を守り倒して消す。
後半から一気にモードを変える。
交代選手をスピードタイプで揃える。
逆転したらポリバレントに守れる選手を入れる。
などに反映され、これが実行できる選手を選んだ結果が、この1次リーグの結果につながったと思います。
そして、残念ながら、特長を知りながら利用できなかったこともあります。
それが、「ターンオーバーとBチームのレベルアップ」です。大会直前のカナダ戦でもBチームの熟成が不完全燃焼で敗戦しました。
コスタリカ戦の敗戦は、Bチームの底上げが十分ではなかった為に生じた必然です。ドイツ戦も、スペイン戦もベストメンバーで迎えるには、このターンオーバーは絶対必要で、コスタリカ戦でBチームで行くしかないけれど、そのレベルと練度がまだまだワールドレベルではなかったのです。
現に、Bチームのレベルアップの問題は、あのブラジルでさえ、同じです。
勝ち抜けが決まった第3戦にBチーム編成で臨み、カメルーンにまさかの金星献上という事態を生んでいます。今回、勝ち点9の3試合完全勝利のチームがひとつも現れなかったのは、この強制ターンオーバーを課す中3日スケジュールにあるのです。
日本も、今後は、ベンチメンバーを含めて招集選手全員が、欧州クラブ(できればプレミア主体)で、レギュラーを張っている状態にならない限り、W杯での優勝は難しいと思います。
さて、他の列強の状況はどうだったでしょうか。私自身の1次リーグの突破予想と、現実の突破チームの差から分析してみましょう。
A組 予想 オランダ、セネガル → 現実 オランダ、セネガル
B組 予想 イングランド、アメリカ → 現実 イングランド、アメリカ
C組 予想 アルゼンチン、メキシコ → 現実 アルゼンチン、ポーランド
D組 予想 デンマーク、フランス → 現実 フランス、オーストラリア
E組 予想 スペイン、日本 → 現実 日本、スペイン
F組 予想 ベルギー、クロアチア → 現実 クロアチア、モロッコ
G組 予想 ブラジル、カメルーン → 現実 ブラジル、スイス
H組 予想 ポルトガル、ウルグアイ → 現実 ポルトガル、韓国
外したのは、欧州のデンマーク、ベルギー。中南米のウルグアイ、メキシコ。アフリカのカメルーンでした。
それを喰って勝ち上がったのが、アジアの韓国、オーストラリア。欧州のポーランド、スイス。アフリカのモロッコとなります。
更に、他の特徴を踏まえて1次リーグを総括してみましょう。
開催国カタール以外、初参加の「ネギ鴨」がいない!
大会レベルが上がり、全体に「死の組」に。案の定、カタールは勝ち点ゼロで大会終了。
3試合勝利・勝ち点9が存在しない!
ターンオーバーを使った常連国が金星を献上。
響く中3日スケジュールで、Bチームのレベルの差が結果に
26人全員が欧州クラブでレギュラーを張るチームが底力を発揮。
ハイプレスの流行 アスリート化の傾向続く
戦術よりも「根性論」が再燃。
当たり前になったアフリカの欧州化
もう誰も驚かない身体能力、アスリート化は世界共通
ヨーロッパの黄昏、中南米の地盤沈下
全盛期を過ぎたドイツ、ベルギーの敗退。
アジアの躍進、ジャイアントキリングとベスト16常連国
W杯主催経験国の日本と韓国はもはやベスト16にいって当然。
そのほかのサウジ、オーストラリア、イランも各々、常連国から勝ち点3を上げる活躍
とはいえ、今日から始まる決勝トーナメントは、1次リーグとは「別のワールドカップ」です。
ほとんど、前後半では勝負がつかず、体力を削り合う延長戦、さらには精神まで使い果たすPK戦になります。
ここで求められるのは、そうです。
「国民全員で、信じた総力」、そして、その「信念を継続した年月」なのです。
子供時代から、自国の優勝を家族、地域、国を挙げて信じてきた国だけが、その試練の中で、勝ち続けることができるのです。
日本代表が、後一歩、その先の景色を見るために必要なことは、「国民全員で、信じる力」なんです。
今大会のNHKテーマソングになっている、King gunの「Stardum」がその想いを歌いこんでいます。
これを聞きながら、三苫の1.88mmに相応しい応援をしましょう!
https://www.youtube.com/channel/UCkB8HnJSDSJ2hkLQFUc-YrQ
みんなで、新しい景色を信じよう!
それが、今回でも、次の大会でも、いつでも構わない
あきらめない、信じるだけ、続けるから
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