教養を深めるための4つのアプローチを紹介します。そこから生涯教養を身につけ、この複雑な世界を理解し、自分の世界を伝え、相手の世界に合わせ、新しい視点を見つける方法を学びます。
目次
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はじめに
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教養の分類
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「発見する教養ー越境する教養」の軸
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「構造化された世界ー構造化されてない世界」の軸
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学ぶべき4つの教養分野
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複雑な世界に構造を見つける教養
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自分の世界を伝える教養
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相手の世界に合わせる教養
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全く新しい視点を見つける教養
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実践例
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まとめ 教養のポートフォリオを活用する
1.はじめに 本当の大人の教養
教養とは、単なる知識の集積ではなく、個人の人格形成や社会的な役割を果たすための基盤となるものです。
教養を身につけることで、私たちは多様な視点から物事を理解し、他者とのコミュニケーションを円滑に行うことができます。
また、教養は自己実現や社会貢献のための重要な要素と言われます。
ただし、我々が本当に身につけたい「大人の教養」とは、人生を豊かにし、さまざまな状況に対処できる力を養うことです。
教養は、学問や芸術、歴史、哲学などの幅広い分野にわたる知識を通じて培われますが、それだけではありません。
教養の本質には、以下のような要素があるのです。
- 批判的思考力:情報を単に受け入れるのではなく、分析し、評価する力です。これにより、複雑な問題に対しても冷静に対処できます。
- 共感力:他者の立場や感情を理解し、尊重する力です。これにより、より良い人間関係を築くことができます。
- 創造力:新しいアイデアや解決策を生み出す力です。これにより、変化する社会に柔軟に対応できます。
- 文化的理解:異なる文化や価値観を理解し、受け入れる力です。これにより、グローバルな視野を持つことができます。
これらをいつでも発動できるようにするために、我々は教養を学ぶのだと思います。
2.教養の分類
教養は多岐にわたる分野にまたがり、その分類は一筋縄ではいきません。一般的には、人文科学、社会科学、自然科学の三つの大きな分野に分けられます。
- 人文科学は文学、哲学、歴史などを含み、人間の精神や文化を探求します。
- 社会科学は経済学、社会学、政治学などを通じて社会の構造や機能を分析します。
- 自然科学は物理学、化学、生物学などを通じて自然界の法則を解明します。
これらの分類は、教養を体系的に理解し、学びを深めるための指針となりますが、それにしてもこの分類では、科学体系的過ぎて、私たち一般人が求める教養とは肌が合わず、納得感が薄いと思います。
分類軸の導入
さて、大人の習得すべき「教養」にも、分類があるのをご存じでしょうか? 以前、雑誌サライで「教養」の特集号があり、そこで今回の記事に最適な「2軸の分類軸を活用した4象限分類」を学びました。
それは、主軸として「発見する教養ー越境する教養」、対立軸に「構造化された世界ー構造化されてない世界」を配置するものでした。
「発見する教養ー越境する教養」の軸
■発見する教養
発見する教養とは、新しい知識や視点を得るための探求心を指します。これは、未知の領域に踏み込み、新たな発見をすることを目的としています。
例えば、科学者が新しい理論を提唱したり、歴史家が未解明の史実を明らかにしたりすることがこれに該当します。発見する教養は、個人の知的好奇心を満たすだけでなく、社会全体の知識基盤を広げる役割も果たします。
この教養は、常に変化し続ける世界において、新しい問題に対処するための柔軟な思考力を養います。
■越境する教養
越境する教養は、異なる分野や文化を横断する知識や視点を指します。これは、特定の専門分野にとどまらず、複数の領域を結びつけることで新たな洞察を得ることを目指します。
例えば、文学と科学を融合させたサイエンスフィクションや、異文化間の交流を通じて生まれる新しい芸術形式などがこれに該当します。越境する教養は、異なる視点を取り入れることで、より包括的で多角的な理解を促進します。
これにより、複雑な問題に対する創造的な解決策を見出すことが可能となります。
「構造化された世界ー構造化されてない世界」の軸
■構造化された世界
構造化された世界とは、情報やデータが明確なルールや形式に従って整理されている状態を指します。
例えば、データベースやスプレッドシートのように、情報が行と列に分かれており、特定のフィールドに特定の種類のデータが入力されるように設計されています。
このような構造化されたデータは、検索や分析が容易であり、効率的に利用することができます。
■構造化されていない世界
構造化されていない世界とは、情報やデータが特定の形式やルールに従って整理されていない状態を指します。
例えば、テキスト文書、画像、音声、ビデオなどがこれに該当します。
これらのデータは、そのままでは検索や分析が難しく、特定の情報を抽出するためには高度な処理や解析が必要です。
この分類軸は、情報管理やデータ解析の分野で重要な概念になっています。
構造化されたデータは効率的な処理が可能である一方、構造化されていないデータは多様な情報を含んでおり、より柔軟な解析が求められます。現代の情報社会では、両者を適切に扱う技術と方法が求められているからです。
立ち上がる教養の分類
すると以下の4象限が表れます。
1.複雑な世界に構造を見つける教養
学問的な教養
・世界を構造的に理解する力を養う
2.自分の世界を伝える教養
日本や日本文化への教養
趣味の世界
・自分の世界を伝える力を養う
3.相手の世界に合わせる教養
リベラルアーツ
外国文化
ルール、習慣
・相手に質問できる力を養う
4.全く新しい視点を見つける教養
アート
禅などのメディテーション
宗教
・新しい発想を生む力を養う
こうやって、4象限を俯瞰してみると、教養として、いままで自分が取り組んでいたものが、いかに狭量だったかが、よくわかりました。
ちなみに先に挙げた人文科学、社会科学、自然科学という分類も、教養全体のほんの一部だったことがわかります。
自分に足りない未知の領域を学ぶのが教養であるのなら、その範囲はこのぐらいバランスよく拡大したいですよね。この区分を知ってからは、4つの教養分野を幅広く、横断的に学ぶ努力をしてきました。
このように、教養は多様な形で私たちの知識や理解を深め、豊かな人生を築くための基盤となります。どの教養も、それぞれの特性を活かしながら、私たちの視野を広げ、新たな可能性を切り開いてくれます。
3.学ぶべき4つの教養分野
A.複雑な世界に構造を見つける教養:世界を構造的に理解する力
現代社会は情報が溢れ、複雑な問題が山積しています。このような環境で重要なのは、情報を整理し、パターンや構造を見つけ出す能力です。
例えば、データ分析やシステム思考は、複雑なデータセットから意味のある洞察を引き出すためのスキルです。
世界を構造的に理解する力を養う教養には、学問体系的な学びが入っています。人文知や経済学、科学全般などを体系的に網羅することはとても大事な教養と考えられます。
また、歴史や哲学を学ぶことで、過去の出来事や思想の流れを理解し、現在の問題に対する洞察を深めることができます。
これにより、複雑な問題に対しても冷静に対処し、効果的な解決策を見つけることが可能になります。
B.自分の世界を伝える教養:自分の世界を伝える力
自分の考えや感情を他者に伝える能力は、どのような分野でも重要です。効果的なコミュニケーションスキルは、プレゼンテーションやライティング、さらには日常の会話においても役立ちます。
例えば、文学や芸術を学ぶことで、言葉やビジュアルを通じて自分の世界観を表現する方法を身につけることができます。
また、心理学や社会学を学ぶことで、他者とのコミュニケーションの背景にある心理的・社会的要因を理解し、より深いレベルでの対話が可能になります。
また、日本や日本文化について学ぶことも、他者理解のために重要なことで、まずは自分たちのルーツや伝統についての知識や技能を身につけて、それを説明可能な状態にしておくことが大事な素養になります。
さらに自分の趣味を究めて、自分らしい世界観を持ち、それを他人の理解可能な状態で伝える技能も、非常に重要な教養だと言えるでしょう。
C.相手の世界に合わせる教養:相手に質問できる力
他者の視点や価値観を理解し、それに合わせて行動する能力も重要です。他言語を学ぶだけでなく、異文化への理解や共感力は、グローバル化が進む現代社会において特に求められるスキルです。
例えば、異文化コミュニケーションやプロトコールを学ぶことで、異なる文化や背景を持つ人々との効果的なコミュニケーションが可能になります。また、他国の文化や倫理学や宗教学を学ぶことで、異なる価値観や信念を尊重し、共存するための知識を深めることができます。
D.全く新しい視点を見つける教養:新しい発想を生む力
革新や創造性は、新しい視点やアイデアを見つける能力から生まれます。これには、既存の枠組みにとらわれずに考える柔軟性が必要です。
例えば、芸術やデザインを学ぶことで、創造的な問題解決の方法を身につけることができます。さらに、哲学や未来学を学ぶことで、現在の枠組みを超えた新しい視点を得ることができ、未来の可能性を探ることができます。ほかにも、ダンスや武芸など身体的な学びも、新しい枠組みの発見につながるでしょう。海外旅行などのはじめての経験をすることで、過去の価値観が一新されることもあります。
これらの4つ分野を偏りなく学ぶことで、複雑な世界に対処し、自分自身を表現し、他者と効果的にコミュニケーションを取り、新しい視点を見つける能力を養うことができます。
どの分野も相互に関連しており、バランスよく学ぶことで、より豊かな知識と洞察を得ることができるでしょう。
4.実践例
自分が「教養人」だとはまだまだ思えませんが、例えば、自分はこの4つの分類を知った後に、こんなものに時間をつかっています。
A.複雑な世界に構造を見つける教養:世界を構造的に理解する力を養う
・経済学
【体験談】経済学を学び直す リカレント教育&リスキリング実践法
・経済的自立・投資・ファイナンシャルリテラシー・FP
・ライフデザイン
・最新のIT・DX技術・情報リテラシー:最新のIT・DX技術を学ぶなら マイクロソフト MyLearnをオススメ
Microsoft Learn | Microsoft Docs
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・地政学
B.自分の世界を伝える教養 :自分の世界を伝える力を養う
日本史
日本美術史
落語・講談
日本文化 :茶道・香道
C.相手の世界に合わせる教養
世界史
世界史ビッグトリー with COTEN RADIO
英語 :英語はNHKゴガクで学んでいます
ラジオビジネス英語
西洋的哲学
中国的哲学
諸子百家 :https://www.audible.co.jp/
映画鑑賞
スポーツ
西洋美術史
宗教史
スーツ
コーヒー文化
音楽
【体験談】ビートルズ 全アルバム視聴! アーリーリタイアの可処分時間でApple musicを使い倒す – ゴキゲンLIFESHIFT (gokigenlifeshift.com)
D.全く新しい視点を見つける教養
陶芸
【体験談】粋に陶芸を楽しむ アーリーリタイアしたら趣味を楽しみたい – ゴキゲンLIFESHIFT (gokigenlifeshift.com)
美術館巡り
美的散策|
旅行
大人の休日として 「定宿」を持つ楽しみ
初体験主義
【体験談】料理教室に行ってみる やったことのない初経験にチャレンジするシリーズ!
5.まとめ 教養のポートフォリオを活用する
教養のポートフォリオは、個人の知識やスキルを体系的に整理し、自己成長を促進するための強力なツールです。これを活用することで、以下のような多くの利点を享受できます。
まず、教養のポートフォリオは、自己評価と目標設定の基盤となります。自分の強みや弱みを明確に把握することで、具体的な学習目標を設定しやすくなります。例えば、特定の分野での知識が不足していると感じた場合、その分野に焦点を当てた学習計画を立てることができます。
次に、教養のポートフォリオは、キャリアの発展にも寄与します。職場での評価や昇進の際に、自分のスキルや成果を具体的に示す資料として活用できます。これにより、自己PRが効果的に行え、キャリアアップのチャンスが広がります。
さらに、教養のポートフォリオは、学びのモチベーションを維持するための手助けとなります。学習の進捗を視覚的に確認できるため、達成感を得やすくなり、継続的な学習意欲が高まります。また、過去の成果を振り返ることで、自信を持って新たな挑戦に取り組むことができます。
最後に、教養のポートフォリオは、他者とのコミュニケーションツールとしても有効です。例えば、同僚や上司とのミーティングで、自分のスキルや知識を具体的に説明する際に役立ちます。また、ネットワーキングイベントや業界のカンファレンスで、自分の専門性をアピールするための資料としても活用できます。
以上のように、教養のポートフォリオを活用することで、自己成長やキャリアの発展、学びのモチベーション維持、他者との効果的なコミュニケーションが実現できます。これからの時代において、教養のポートフォリオは、個人の成長を支える重要なツールとなるでしょう。
参考